唯一無二「震災工作車」 マルチに活躍の救難車両がふたりしか乗りこなせなかったワケ(写真26枚)

かつて静岡市消防局が所有していた「震災工作車」なる車両がありました。さまざまな装備を備え、1台で何役もこなせるものでしたが、完全に乗りこなせたのはふたりだけだったといいます。その理由は、一目瞭然かもしれません。

外国に持ち出されそうだった1台しかないレア車。

 2018年の夏は台風、地震と立て続けに災害が日本を襲い多難な季節となってしまいました。もちろん、各地の自治体はこうした災害に対し、様々な備えをしています。愛知県の岡崎市消防局が運用する「レッドサラマンダー」は非常に有名ですが、過去、国産の履帯(いわゆるキャタピラー)式救難車輌も存在していました。

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震災工作車全景。「(株)カマド 工作車」と書かれた場所には「静岡市消防局」とあった。運転席上のかご状フレームに赤色回転灯が入っていた(月刊PANZER編集部撮影)。

 それは静岡市消防局が保有していた「震災工作車」です。従来、東海地震の危険性が指摘されていたなかで、静岡市が、災害が起こった時に道路をふさぐガレキなどを撤去できる特殊用途の救助工作車として導入したもので、1輌だけ作られました。西日本豪雨や北海道胆振東部地震などの被災地の映像でも分かりますが、岩の混じった土砂崩れや倒木、壊れた建物、電柱、電線と道路をふさぐものは様々で、これらをいち早く片付けて応急的に道を通し、一刻も早く消防車や救急車などを被災地に送り込めるよう1台で作業できるようにと考えられたものです。

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前部下にドーザーブレード、キャビン上にクレーン、後ろに発電機、油圧ユニット、パワーショベル(月刊PANZER編集部撮影)。
履帯の形は陸自73式装甲車と似ているが別物(月刊PANZER編集部撮影)。
リモコン式投光器(月刊PANZER編集部撮影)。

「震災工作車」は1996(平成8)年に静岡市消防局へ納入されましたが、2013年3月末日付けで耐用年数が経過して引退しました。普通であればここでスクラップとなってしまうのですが、世界でも1両しかないレア車ということで、これを保存しようと、払い下げの入札には静岡県御殿場市の自動車整備会社であるカマド社が応札しました。ところが、ロシア人が森林地帯で使いたいと代理人を通じて入札応募してきたそうで、貴重な車を海外に流出させてはなるまいと必死の競争入札になったそうです。レア車を探す外国人コレクターの意欲は旺盛で、その情報収集力には驚かされます。

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コメント

5件のコメント

  1. 大型特殊と玉掛けの免許、クレーンの技能講習を受けた人間なんて、建築現場に行けば、何万単位でいるだろう。さほどレアな免許じゃないよ。一日の講習とサルでも受かる簡単な試験で取れる。落すための試験じゃなく講習を真面目に聞いていたか確かめるための試験だからね。

    俺だって免許は持っている。使ってはいないけど。

  2. 小型移動式クレーンと玉掛けも技能講習ですね。

    あとウインチは特別教育です。

    区別しないで「資格」って記述しておけばよかったのに…

    いずれにせよこのへんの資格コンプした人は製鉄所あたりにいっぱいいますよ。

  3. 消防車時代には無かった緩和表示『▽』が。

    車検通すの苦労したのかも。

  4. 珍しいという意味では貴重な車種だろうけど、売りに出されるということは機密がどうこうということはないだろう。

    引っかかれば民間に売る前に解体するだろう。

    飾り物でもあるまいし、ロシアに売り飛ばして仕事をした方がいいんじゃないの?

    その結果を見て使い物になるかどうかを見た方がいいと思うけどな。

  5. 足回りが61式戦車のそれにかなり近いとか何とか聞いたことあり。

    私設博物館の収蔵品候補なのはそこらへんかなと思ってみたり。

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