どうする「危険なバス停」 神奈川県警が85か所公表・対策へ しかし移設が困難な理由

「危険になってしまった」バス停、どう対策すべきか

 このような危険なバス停は、神奈川県だけの問題ではないようです。そもそも、バス停の位置はどのように決まるのか、日本バス協会の担当者は次のように話します。

「バス停は交差点から5m以内や、トンネル内など道路交通法で駐停車禁止となっている場所には設置できませんし、設置場所の前に民家や商店があれば、そこに住む人の了承も必要です。バス路線の開設に当たっては、それら条件をクリアしたうえで路線の全バス停について警察の許可を得て、運輸局に申請して許可を得る必要があります」(日本バス協会)

 それらバス停が適切かつ適法な位置にあるか、運輸局から関係各所への照会も行われたうえで路線の許可が下りるそうですが、問題は「その後」にあると日本バス協会の担当者は指摘します。

 全国には何十年も前から存在するバス停もあり、あとから道路環境が変化したことで、いまの基準からすると危険なバス停も少なくないとの推測。そうしたバス停について全県的に調査し、見直しを図る今回の神奈川県警のような事例は、全国でも珍しいそうです。

「交通管理者である各都道府県警察が独自に設置基準を設けることもありますが、既存のバス停がそうした基準を満たしていないからといって、廃止されることもありません。いまから基準に適合させようとすれば、どこにも置けなくなってしまうことも考えられます。移設には困難をともなうでしょう」(日本バス協会)

 神奈川県警は今後、リストアップした危険なバス停85か所のランク付けを進め、Aランクのバス停については2018年11月中に取りまとめ、各種対策を検討していくとのこと。交通規制課の担当者は、「できるところから速やかに実行していきたい」と話します。

【了】

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コメント

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4件のコメント

  1. 『バス降車後の直前直後の横断は止めましょう』
    これに尽きるしかないかなと。
    あとは横断者と自動車側にどのように周知と教育をするか。
    そこが難しいところ。

    神奈川県内全てを網羅してるわけではないので、
    他地域事例になってしまうけど、
    法規制以前に設置した停留所や
    降雪地域だと意図的に交差点内で乗降する場合もありますし。
    なかなか難しい問題。

    ちなみに直接関係無いですが、
    今日の通勤時で一旦停止違反一件、逆走一件、信号無視一件(しかも自転車と自動車両方)。
    こんだけ見かける訳で…
    事故はなくならんわな。

  2. バス昇降中は十分な注意が必要。追い越しかける場合は対向車注意しつつ、バス前方から横断されたり自転車が飛び出してくることもあるからかなり危険

  3. 路上にボールが転がってきたら後ろから誰かが飛び出てくるのと一緒で、基本、停車中のバスの前後からは人が飛び出すことを前提に運転してるんじゃないのかな?

  4. これはそもそも違法駐車だろ
    人の乗り降りは停車、交差点内は駐停車禁止
    これは行政の責任が重いよな