幸運なセントレアの787、2号機は…? 世界の名機も大半スクラップ、保存航空機の現状
セントレア空港併設の「FLIGHT OF DREAMS」に展示されたボーイング787飛行試験初号機のように、航空史に名を残す機体が世界中に保存されていますが、一方でそのように保存されるのは、実はかなり恵まれた境遇のようです。
愛知で余生過ごす787飛行試験初号機
2018年10月12日、中部国際空港(セントレア)に、複合商業施設「FLIGHT OF DREAMS」がオープンしました。
「FLIGHT OF DREAMS」はボーイングから寄贈された「787」の飛行試験初号機「ZA001」の実機展示のほか、「787」のシミュレーター体験コーナーや、ボーインググッズが購入できるボーイングストア、ボーイングの民間航空機部門の拠点が置かれているシアトルのグルメが楽しめるフードコートなども設けられています。
ボーイング「787」の飛行試験機は6機が製造されましたが、「FLIGHT OF DREAMS」に展示された「ZA001」のほか、2号機の「ZA002」と3号機の「ZA003」、6号機の「ZA006」は試験機としての役割を終えて、「ZA002」は米アリゾナ州ツーソンのピマ航空宇宙博物館に、「ZA003」はボーイングのお膝元であるシアトルの博物館「ミュージアム・オブ・フライト」にそれぞれ展示、「ZA006」は改装を受けた後、メキシコ政府に売却され、同国の政府専用機として運用されています。
2018年10月上旬に取材のためツーソンを訪れた筆者(竹内修:軍事ジャーナリスト)は、ピマ航空宇宙博物館を訪れたのですが、そこで目にした「ZA002」は、同機が2011(平成23)年7月に、試験プログラムの一環として来日した際に施されたANA(全日本空輸)塗装の状態のまま屋外展示されていました。
ピマ航空宇宙博物館は砂漠のど真ん中にあり、「FLIGHT OF DREAMS」のような華やかさはありませんが、砂漠地帯であるがゆえに湿度が低く、航空機の保管には適しています。この博物館にはジョン・F・ケネディ大統領が使用した大統領専用機「VC-118A」などの歴史にその名を刻んだ名機が多数展示されており、「ZA002」もこうした名機たちと共に、この博物館を訪れる人たちの目を楽しませていくことでしょう。
関係のないタグを大量につけるのやめろよ。
メルカリ中級者かよ。
世界最大級の空港の代償に思いを寄せる