じわり人気「ツヤ消しマット」の車体色 「目立つ」「かっこいい」 しかし維持は大変!

マット塗装に自分でカスタムすると…?

 先述のとおり自動車におけるマット塗装は近年登場したものではなく、日本でも古くからユーザーがカスタムのひとつとして施すケースもあります。マット塗装を手掛けるペイントハウスジャンク(愛知県春日井市)によると、やはり近年、「目立つ」「かっこいい」という理由で、マット塗装を施す人は増えているとのこと。詳しく話を聞きました。

――マット塗装は通常の塗装とどう違うのでしょうか?

 塗装の工程や料金そのものは大きくは変わりません。通常の塗装は、色を塗ってから光沢のあるクリア(塗装を保護する塗料)を塗りますが、そこにツヤ消しのクリアを塗るのです。これにより、すりガラスのようにガサガサとした凹凸のある表面になります。

――手入れの面で変わりはありますか?

 はい。傷や手垢がつきやすいうえ、凹凸がありますので汚れも堆積しやすく、こまめな洗車が必要となります。しかし傷を防止する観点から洗車機はNGです。コンパウンドなども、せっかくツヤを消しているのに、そこだけ磨いてしまうことになるので使わないほうがいいでしょう。

――汚れを防止する方法はあるのでしょうか?

 マット塗装をしたあとでコーティングをすると汚れが付きづらくなり、洗車もしやすくなります。しかし、多少ツヤも出てきてしまうので、業者さんとよく相談したほうがよいでしょう。

※ ※ ※

 ツヤ消しを維持するには、取り扱いにも注意が必要なようです。メルセデス・ベンツ日本は、「そもそも、こうしたカラーのクルマを買われる方は、洗車も手洗いの方が多いです。当然ご理解いただいていることと思います」と話します。

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ヤマハ「MT-07」マットグレー。バイクでもマットカラーのモデルが増えている(画像:ヤマハ)。

 ちなみに、マット塗装は古くからラリーカーなどで見られます。かつてはボンネットのみ黒のマット塗装を施すケースが多かったのですが、これは、太陽の光がドライバーに反射してまぶしくならないようにするためでした。なお、現在ではラッピングフィルムによってマットカラーにする方法もあります。

【了】

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