東京の環状道路「環八」「環七」の下に環状地下鉄構想 そのメリットと課題は

東京は都心から郊外へ伸びる鉄道が放射状に多数整備されていますが、郊外同士を結ぶ環状方向の路線は多くありません。現在、環八通りと環七通りの下を通る環状地下鉄路線が構想されていますが、実現にはどのような課題があるのでしょうか。

郊外から郊外へ向かう環状路線

 東京を中心とした地域では、東京都心とその周辺の都市、郊外を結ぶ複数の鉄道路線が放射状に伸びています。

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区部周辺部環状公共交通のうち環八の下を通る「エイトライナー」のイメージ(画像:エイトライナー促進協議会)。

 これに対し、都心から外れた郊外同士を結ぶ鉄道路線は少なく、とくにJRの山手線と武蔵野線に挟まれた地域同士を結ぶ公共交通はバスに依存しているのが現状です。鉄道に比べて単に時間がかかるだけでなく、渋滞に巻き込まれるというリスクもあります。

 しかし、鉄道を整備しようという構想がないわけではありません。現在、都道311号環状八号線(環八)と都道318号環状七号線(環七)の地下を通る「区部周辺部環状公共交通」の整備が、沿線の自治体により検討されています。

 区部周辺部環状公共交通の構想区間は、羽田空港から田園調布、荻窪、赤羽、亀有などを経て京葉線が通る葛西臨海公園までを結ぶ約73km。海がある部分を除き、山手線の外側をほぼ一周します。ただし、羽田空港から田園調布駅までは既設の京急空港線、東急多摩川線と別の新線構想(蒲蒲線)があるため、実際の整備区間は田園調布~赤羽~葛西臨海公園間の約60kmになります。

 このうち田園調布~赤羽間の約31kmは、環八の地下を通ることから「エイトライナー」、赤羽~葛西臨海公園間の約29kmは環七にちなんで「メトロセブン」と呼ばれています。もともとはエイトライナーとメトロセブンの沿線自治体が別々に建設推進運動を展開していましたが、1997(平成9)年に両者が「連携」を宣言。これ以降は一体的な路線として扱われることが増えました。

 詳細なルートや駅の位置などは何も決まっていません。これまで行われた調査では、整備区間内の42か所に駅を設置することを想定。このうち約20駅は郊外と東京都心を結ぶ鉄道路線との連絡駅になると見られます。

 ちなみに、東急多摩川線に直通することも想定されており、この場合は東急田園調布駅の西側に設けられるエイトライナー田園調布駅から東急の多摩川駅までを結ぶ線路も建設されます。

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コメント

6件のコメント

  1. オリンピック関連費用より安いな。

  2. 事業主体はどこを想定しているのかしら

  3. 郊外から郊外のアクセス利用が少ないと言うなら、わざわざ鉄道を作らなくても、路線バスで十分だろう。
    そんなのにお金使う前に、運転士の待遇改善にお金使うべきだろう。

  4. イーロン・マスクThe Boring Companyの「The Loop」システムの柔軟性と低コスト性は、この路線には非常に適しているようです。

  5. 道路整備の予算を若干でも鉄道整備に振り分けたり、鉄道も道路のように社会的便益で価値を評価するようにすればもっと早く建設できるだろうし、廃止になる路線もかなり減らせただろうに。

    1兆円掛けてでも造る価値はある路線だと思う。通勤混雑の間接的な緩和の観点からも。他者路線と直通しないのであれば 鉄輪式リニアでも いいのでは。

    同時に、「東武野田線・JR川越線・八高線・横浜線及び相模線 も首都圏を広範囲に囲む環状線」として位置づけ、何らかの改良を取ると尚良いです。

  6. 全線地下鉄 でなくても LRTが併用軌道(併用軌道内最高速度を時速50km以上に緩和すべきだと思うが)を走ったり専用軌道を走ったり 必要に応じて地下区間を走る方式で造る。 そして、そのLRT網を拡大していく 

    という方法でも良いのでは?「地下鉄」だけにこだわらず、地下鉄以外の鉄軌道方式でも良いと思う。

    都市を囲む 環状鉄道 は他の地方都市でも実現してほしいしそのための制度改正を。