駅弁ならぬ高速バスのお供「バス弁」 2018年は大物ルーキーも登場、定着なるか
鉄道の「駅弁」にならう形で、空港には「空弁」、高速道路SAでは「速弁」などが販売されていますが、高速バスの利用客向けに「バス弁」も存在します。しかし、なかなか定着しないのはなぜでしょうか。
由緒ある老舗料亭も参入!
2018年の春から秋にかけて、高速バスに乗車する旅客向けに、「駅弁」ならぬ「バス弁」の販売を始めた事業者があり、一部で話題になりつつあります。
まずひとつは、福島県会津若松市の会津バスターミナルで販売されている「会津バス弁当」です。調製元(製造者)は、木を加工した容器に盛り付けられる「わっぱ飯」を考案した地元の料亭「田季野」。「会津輪箱飯(わっぱめし)」などの弁当を2018年3月に発売しました。
田季野といえば、定期観光バスのコースに組み込まれるなどバスとの関係も深く、会津を代表する有名料亭です。10月現在は前出の「会津輪箱飯」(1280円)のほか、「会津ソースカツ弁当」(1230円)、「ミニ輪箱飯」(750円)、そして日や週によりおかずが変わる「おまかせ弁当」(540円)の4種類が展開されています。
そして7月には、岐阜県に本拠地を置く濃飛バスが、飛騨の料理を集めた「濃飛バス弁当」を発売しました。フォトフレームにもなる高速バス型の容器に入った弁当にはお品書きが添えられ、飛騨牛コロッケ、なつめ煮付けなど、飛騨で親しまれる料理が詰め込まれています。
この弁当を調製している平湯温泉バスターミナル(高山市)内のレストランは、昭和30年代から営業している老舗です。ここから、高山市中心部の高山濃飛バスターミナルにも運ばれ、いずれも数量限定で販売。早めに売り切れる場合もあるとのことです。
そもそも、「バス弁」自体が聞きなれない言葉かもしれませんが、駅弁と同じように、高速バスのターミナルやバス車内で販売し、移動中に食べることを想定して考案された弁当です。じつは過去にも、このような弁当は存在していました。
関係が逆転しそうな駅弁とバス弁の主従
必ず買える、という確実性を保証することが定着への第一歩。
買いそびれて空腹のまま数時間の移動を強いられた客は次回からターミナルに来る前にコンビニ弁当を確保してしまうでしょうから。