駅弁ならぬ高速バスのお供「バス弁」 2018年は大物ルーキーも登場、定着なるか

バスに乗らないと食べられなかった「バス専用」弁当も

「バス車内で食べる弁当」として最初に一定の知名度を得たのは、2004(平成16)年に登場した西鉄天神バスセンター(現・西鉄天神高速バスターミナル)の「バス弁」です。九州全域へ1日約1400本のバスが発車するターミナルの売店で売られていたこの弁当は、明太子、かしわめし、鶏料理など九州の味をぎゅっと詰め込んだものでした。

 発売当初は話題を呼び、一時期は「松」「竹」「梅」の3種類が大きなスペースをとって販売されていましたが、近年販売を終了しています。

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かつて販売されていた、しずてつジャストラインの「バス弁」(画像:oleolesaggy)。

 また、特殊な例としては、静岡を中心に高速バスを運行する、しずてつジャストラインの弁当が挙げられます。新静岡ターミナルを発車する高速バスの乗客に向けて、2014年に「バス弁・静岡名産弁当」を発売しました。

 ここまで挙げた他のバス弁と違うのは、「特定の高速バス路線に乗らないと弁当を予約できない」システムをとっていた点です。バス弁を予約できたのは「静岡~甲府線」「駿府ライナー(静岡~新宿線)」などの4路線で、静岡駅にて運転手がスタッフからクーラーボックスを受け取り、弁当を乗客に渡していたのです。この引き渡しの際、運転手はアルコールスプレーで手を念入りに消毒し、手袋を装着するといった念の入れようでした。

 コンパクトなバス型の弁当容器に、桜えびの混ぜ込みご飯、黒はんぺんなど、静岡名物が目白押し。あっさりとした味付けも、高速バスユーザーのあいだでおいしいと評判だったようです。その調製元は、静岡の名門駅弁業者である東海軒でした。

 バスターミナルで売られている「バス弁」はバス利用者以外でも買うことができますが、本当の意味で「バス専用」弁当といえるのは、このしずてつジャストラインの「バス弁」が日本初といえます。2015年にはラインナップを4種類に増やすなどして販売が続けられましたが、2018年4月に発売を終了しました。

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コメント

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2件のコメント

  1. 関係が逆転しそうな駅弁とバス弁の主従

  2. 必ず買える、という確実性を保証することが定着への第一歩。
    買いそびれて空腹のまま数時間の移動を強いられた客は次回からターミナルに来る前にコンビニ弁当を確保してしまうでしょうから。