停車地が病院ばかりの高速バス路線、なぜ誕生 地域交通と医療の現状浮き彫りに

新潟県の阿賀町と新潟市を結ぶ「阿賀町バス」は、高速バスでありながら、新潟市内の停車地が病院ばかりという特異な路線です。バスが生まれた背景には、阿賀町のような高齢化と過疎化が進んだ地域の悩みがありました。

高速バスが発達した新潟に「病院づくし」の路線

 高速バスは都市間の足として定着していますが、地域によっては、通勤や通学、通院、買い物といった日常生活にも利用されています。

 そのような高速バスの日常利用が多い地域のひとつが新潟県。県都である新潟市を中心に、北陸道や磐越道を経由して県内各地を高速バスが結んでいます。1978(昭和53)年の新潟交通と越後交通による新潟~長岡線を皮切りに路線網を拡大。現在ではすっかり県内の交通を担う存在として定着しましたが、なかには少し変わった路線も。

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新潟大学医歯学総合病院前に停まる阿賀町バス(右手前)。マイクロバスで運行される(画像:阿賀町)。

 福島県境に近い阿賀町から、磐越道を経由し、新潟市の中心部を結ぶ「阿賀町バス」がそれです。阿賀町に本社を置く東蒲(とうかん)観光バスが、マイクロバスを使って平日1往復のみ運行しています。所要時間は片道110分から118分。ほかの県内高速バス路線と大きく異なる点は、新潟市内の停車地にあります。

 ほとんどの県内高速バスが新潟駅前をはじめ、万代シテイ、古町、市役所前、県庁前など市内中心部の主要地点を経由するのに対し、阿賀町バスが立ち寄るのは新潟市民病院、新潟県立がんセンター、新潟大学医歯学総合病院といった県内でも有数の大病院ばかり。起終点も新潟万代病院であり、さらに秋葉区の下越病院にも立ち寄るという、まさに「病院づくし」の高速バスなのです。

 しかも、それぞれの病院で、敷地内の玄関前、もしくはそれに近い位置まで乗り入れます。全国を探しても、ここまで病院ばかりに立ち寄る高速バスはない、といっていいほどの珍しい路線です。

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コメント

3件のコメント

  1. 高速バスではないですが、釧路~根室の都市間バスも釧路市内が似たような状態ですね。

  2. バスの機能(路線設定が柔軟)を活かした運行で良いですね。
    路線を見ると鉄道とも交差する箇所があるので、並行したり交差したりする鉄道との乗り換え結節も行ない、交通機関全体の利便性向上を図る戦略が各関係者(バス・鉄道・道路会社等)で連携されてほしいです。

    • その必要はありません
      客を奪う敵業界同士で仲良くお客を分けあおうなどというのは話にならない
      徹底的に競争して勝った方が客を総取りするのが一番良いインフラなんですよ