停車地が病院ばかりの高速バス路線、なぜ誕生 地域交通と医療の現状浮き彫りに
「社会実験」から本運行へ 経由する病院も追加
そのようななか、地元で観光バスを営んでいた東蒲観光バスが代替運行に名乗りをあげ、持続可能な運行方法として、「町内と新潟市内の各大病院を直結する」路線形態を提案したのです。この提案は、新潟交通観光バスの高速バス撤退に合わせ、さっそく阿賀町の社会実験という形で実現に移され、阿賀町バスが誕生しました。
当初は新潟大学医歯学総合病院が終点で、平日のみ1日2往復が設定されました。2017年10月からは正式運行になりましたが、実際の利用状況に応じて時間帯を調整のうえ、1日1往復に減便されています。一方で、この正式運行開始時には新車が投入されたほか、2018年には路線が延長され、新潟市内の起終点が現在の新潟万代病院になるなど、サービスの改善もなされています。
なお、この路線は「通院者専用」というわけではありません。通常の高速バスと同様に、一般の利用者も運賃を払えば利用できます。阿賀町としては観光客も呼び込みたい意向があるようで、阿賀野川の舟運で栄えた阿賀町の歴史を踏まえ、バス停には船の帆をかたどったユニークなデザインを採用しています。
高齢化や地方の人口減少が進む現在、地方では公共交通の維持も、地域医療の確保も大きな問題となっています。そうしたなかで、道路があればどこへでも乗り入れられるバスの機動性を活かして既存の高速バスを代替した阿賀町バスは、これからの時代に新しいあり方を示す例かもしれません。
【了】
※記事制作協力:風来堂、石川大輔
高速バスではないですが、釧路~根室の都市間バスも釧路市内が似たような状態ですね。
バスの機能(路線設定が柔軟)を活かした運行で良いですね。
路線を見ると鉄道とも交差する箇所があるので、並行したり交差したりする鉄道との乗り換え結節も行ない、交通機関全体の利便性向上を図る戦略が各関係者(バス・鉄道・道路会社等)で連携されてほしいです。
その必要はありません
客を奪う敵業界同士で仲良くお客を分けあおうなどというのは話にならない
徹底的に競争して勝った方が客を総取りするのが一番良いインフラなんですよ