米×サウジが切っても切れないワケ 記者殺害で浮かび上がる両国の複雑な関係とは?

トルコのサウジアラビア領事館における記者殺害をめぐり、トランプ米大統領が激しい憤りを見せるなど、米×サウジ情勢が揺れ動いています。両国間の、武器輸出などを通した切っても切れない複雑な関係について解説します。

カショギ氏殺害だけではない? アメリカとサウジのあいだに横たわる壁

 じつは、アメリカとサウジアラビアの関係を複雑化させている要因は、今回のカショギ氏殺害事件だけではありません。

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トランプ米大統領も自ら激しくサウジアラビア政府を非難していたが……(画像:Mykhaylo Palinchak/123RF)。

 2015年から、サウジアラビアを中心とした有志連合が、サウジアラビアの南にあるイエメン国内で発生した内戦に対して、同国内の反政府組織である「フーシ派」を攻撃すべく軍事作戦を展開しているのですが、この軍事作戦において、有志連合が民間人を攻撃するという事例が頻発し、国際的な反発を招いているのです。

 とくに、2018年8月に発生した事例では、遠足に向かうために多くの子供たちを乗せて走っていたスクールバスが突如空爆され、これによってスクールバスに乗っていた子供たちを含む数十人の民間人が死傷しました。こうした人道的な問題を背景として、アメリカ議会でもサウジアラビアへの武器輸出を制限しようという動きがあります。

 これに対して、サウジ主導の有志連合を支持するアメリカ政府は、民間人への被害を少しでも低減させようと、アメリカ軍によるサウジアラビア軍への武力紛争法(戦争における基本的なルール)のレクチャーや作戦立案イベントなどを実施することになっています。

 アメリカは、サウジアラビアが自国の国益にとって重要な存在であるということは間違いない一方で、カショギ氏殺害などそのほかのサウジアラビアの行動に対応する必要もあるという、きわめて複雑な立場に置かれているわけです。

【了】

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