迎撃ミサイルSM-3最新版、試験成功の意義は? 融和ムードの裏で進む弾道ミサイル対策

試験結果が日本にもたらす意義

 それでは、今回のSM-3ブロック2Aによる迎撃試験成功が日本にもたらす意義にはどのようなものが考えられるでしょうか。

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護衛艦「あたご」から発射されるSM-3ブロック1B。あたご型はさらなるソフトウェア改修により、今後SM-3ブロック2Aも運用可能になる見通し(画像:海上自衛隊)。

 アメリカ側の発表によれば、今回の試験で発射された弾道ミサイル標的は、準中距離弾道ミサイル(MRBM)を模擬したものであることが明らかにされています。MRBMとは、射程が1000kmから3000km程度の弾道ミサイルのことですが、じつはこのMRBMこそ、日本にとっては最も警戒を要する種類の弾道ミサイルなのです。

 軍事にあまり興味がない人にも、北朝鮮の弾道ミサイルである「ノドン」という名前は、広く知られていることでしょう。じつはこの「ノドン」が、はまさにMRBMという種類のミサイルです。

「ノドン」は約1300kmから1500km程度の射程があるとされ、日本列島のほぼ全域を射程圏内に収めていることから、日本を主目標にしていると考えられている弾道ミサイルで、北朝鮮はこれを数百発保有しているといわれています。また、中国もDF-21という射程約1500kmから1700km程度のMRBMを多数保有し、これもまた日本列島の広い範囲を射程内に収めています。つまり、日本にとってこのMRBMは深刻な脅威となり得る存在なのです。

 そのMRBMを模擬した標的をSM-3ブロック2Aは迎撃することに成功したわけですから、日本にとって今回の試験成功は「将来自衛隊に配備される迎撃ミサイルが、自国を狙う弾道ミサイルを迎撃する能力を示した」という意義を持っていると言えます。

 今後SM-3ブロック2Aは、実戦を想定したより厳しい環境の下での試験を実施することが決定されていて、今後もその動向に注目が集まります。

【了】

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コメント

1件のコメント

  1. どうあっても乗れない乗りもの、ミサイル。ミサイルの前にはどんな兵器もひれ伏します。兵器は国際政治と不可分です。「統一朝鮮」が日本の仮想敵にならない保証はありません。ミサイル防衛の手はまだ休められることはないでしょう。