陸から海へにらみ 石垣島など駐屯地新設で注目の「地対艦誘導弾」、どんな装備?

地対艦ミサイル部隊の配備が偏っているワケ

 陸自には、現在第1から第5まで番号の振られた5個の地対艦ミサイル連隊があります。

 東西冷戦当時、多くの巡洋艦や駆逐艦、そして揚陸艦を保有していたソ連海軍は脅威でした。揚陸艦を使い、北海道へと戦車を主力とした地上部隊が着上陸することだけは、何としても阻止する必要がありました。そこで、陸上から洋上の敵艦艇を攻撃する「88式地対艦誘導弾」が開発されました。

 この新しい装備を運用するため、1992(平成4)年から1994(平成6)年にかけ、北海道に、第1地対艦ミサイル連隊(北千歳駐屯地〈北海道千歳市〉)、第2地対艦ミサイル連隊(美唄駐屯地〈北海道美唄市〉)、第3地対艦ミサイル連隊(上富良野駐屯地〈北海道上富良野町〉)が新編されました。続いて、1996(平成8)年に第4地対艦ミサイル連隊(八戸駐屯地〈青森県八戸市〉)、1998(平成10)年に第5地対艦ミサイル連隊(健軍駐屯地〈熊本県熊本市〉)、2001(平成13)年に第6地対艦ミサイル連隊(宇都宮駐屯地〈栃木県宇都宮市〉)が新編されていきました。北海道に3個、東北に1個と、日本北方に4個連隊を配置したことからも、北方重視であったことが見えてきます。

 東西冷戦が終結すると、地対艦ミサイル連隊の存在が見直されることとなり、脅威の度合いが最も低い太平洋側を守る第6地対艦ミサイル連隊が、2011(平成23)年に廃止されてしまいました。

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88式地対艦誘導弾。これを運用する部隊が90年代前半に次々と新編され、北海道を中心に配置されていった(菊池雅之撮影)。
88式地対艦誘導弾。73式特大型トラックをベースに作られており、ミサイルラウンチャー(発射筒)が丸い(菊池雅之撮影)。
12式地対艦誘導弾。支援車両の重装輪回収車をベースに作られ、角型のラウンチャーを搭載する(菊池雅之撮影)。

 現在、注目されているのが、唯一九州に配置されている第5地対艦ミサイル連隊です。この部隊が九州・沖縄エリアの地対艦ミッションすべてを請け負っています。最新鋭の艦艇で構成される中国海軍に対するため、ほかの部隊に先駆けて、最新式の「12式地対艦誘導弾」が配備されました。

 有事を想定し、部隊を置いている熊本県から、民間のフェリーなどを使い、奄美大島や沖縄本島へと展開する訓練も繰り返し行っています。このように迅速な機動展開を演練してはいますが、ネックとなるのは、どうしても移動に時間がかかってしまう点でした。

 そこで、石垣島、宮古島、奄美大島に、第5地対艦ミサイル連隊の一部(中隊規模と予想される)を常駐させることになったのです。

 なお、これにともない、北海道内の地対艦ミサイル連隊の再編、縮小も行われるかもしれません。さすがに3個連隊も北海道に必要ないという意見も多いからです。

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コメント

3件のコメント

  1. 地対艦誘導弾配備の詳しい説明有難う御座います。

    そこで一つ質問なのですが、部隊を敵から守る上で地対空誘導弾も必要だと思うのですが、同一部隊で運用出来るのですか?
    別部隊だと大変ですよね!

  2. この内容は大きな間違い。南西諸島で自衛隊基地が「最初に建設されるのが石垣島」ではなくすでに宮古島・奄美大島では基地建設が2016年から進行中。とんでもない「事実⁉」を広げてはいけません

    • ご指摘ありがとうございます。