90式戦車160両の咆哮! 北の大地を揺るがす砲煙弾雨、恒例「戦車射撃競技会」とは?(写真12枚)

競技は4両1チーム=小隊編成で

 北海道の陸上自衛隊は、まさに戦車が主役となる部隊編成となっています。そのような猛者ぞろいの各部隊から今年の射撃競技会には、164両の90式戦車、12両の10式戦車が集まりました。

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90式および10式戦車は、車長、操縦手、砲手の3名で構成されている。写真は車長。1両の戦車を指揮し、取りまとめるのが仕事だ(菊池雅之撮影)。

 競技は4両単位で行います。これは1個小隊編成となります。4両の戦車が、敵の戦車や装甲車を模した「戦車砲用標的」、敵歩兵を模した「機関銃用標的」を攻撃していきます。「命中精度」、「命中に要した時間」、「小隊長の射撃指揮」が評価され、点数となり、順位に影響していきます。

 なお、10式戦車については、まだ数が揃っていないこともあり、評価からは外されていました。90式戦車小隊のみで、「部隊対抗の部」「中隊対抗の部」「小隊対抗の部」の3部門を争います。平成29年度大会では、部隊対抗の部で第72戦車連隊、中隊対抗の部で第72戦車連隊第5中隊、小隊対抗の部で第72戦車連隊第2中隊第2小隊が、それぞれ優勝の栄冠に輝きました。

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平成29年度大会で各部門の優勝を総ナメにした、第7師団第72戦車連隊(菊池雅之撮影)。

 大会参加者はまずIDのチェックを受けます。というのは、替え玉参加を防ぐためです。腕のある人、ベテランの人など、競技においては経験者が多少有利となるのは事実です。また、戦車に乗ってしまうと、外からでは誰が乗っているのか分かりません。そこで乗車前に、出場者名簿とID、顔を照らし合わせます。そんなズルをする部隊があるとは筆者(菊池雅之:軍事フォトジャーナリスト)には思えませんが、ここまで厳格にルールを順守するところは、自衛隊ならではと言えるかもしれません。

 そしてそれぞれの戦車に乗車し、競技スタートです。

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