90式戦車160両の咆哮! 北の大地を揺るがす砲煙弾雨、恒例「戦車射撃競技会」とは?(写真12枚)

途切れない射撃、その咆哮!

 まず2両が稜線上から敵戦車に対し、射撃を行います。撃破すると、一旦後退します。前進を前に、特科部隊の火力支援を要請します(想定のみ)。大砲からの支援を受けた直後、4両の戦車は一斉に動き出します。敵戦車や装甲車を発見すると、小隊長指示のもと、それぞれ撃破していきます。そのまま流れを止めることなく、戦車はどんどんと前進していきます。敵歩兵が出現すれば、機関銃で射撃をしていきます。

 一旦競技が始まると、咆哮は常に唸り続けます。毎年8月に行われている「総火演」にはない、本物の迫力がここにはあります。

 射撃を終えて、スタート位置へと戻って来ると、部隊名が記された旗を振る仲間たちの熱い出迎えを受けます。この応援に、乗員らは戦車から体を出して、ガッツポーズで応えていきます。部隊の名誉がかかっている戦いであり、応援する隊員たちも真剣そのものです。

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部隊対抗の部で優勝を収めた第5戦車大隊は、帯広に司令部を置く第5旅団隷下の部隊で、道東の鹿追駐屯地(北海道鹿追町)に駐屯する(菊池雅之撮影)。

 今回は天気に恵まれなかったのですが、戦車は全天候型の戦いを強いられる装備です。さすがに標的が霧で見えなくなり、射撃できない時もありましたが、ほぼ予定通り実施していきました。天候同様に、競技会の結果も大波乱となりました。

 部隊対抗の部で優勝を収めたのは、第5旅団の第5戦車大隊でした。中隊対抗の部で優勝を収めたのは第11旅団第11戦車大隊の第2中隊、小隊対抗の部で優勝を収めたのは、第7師団第73戦車連隊第1中隊第1小隊でした。

 第7師団としては、残念な結果と言えるかもしれません。ただし、そのような第7師団を破った部隊が出たということは、改めて北部方面隊の戦車部隊の練度の高さを見せつけたと言えるかもしれません。

【了】

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