テントのお風呂、給排水どうしてる? ほか災害派遣における陸自入浴支援の舞台裏とは(写真20枚)
なぜ自治体にはこうした入浴支援が無理なのか?
この「野外入浴セット」を開設、維持管理するのは、担当部隊の自衛官7名程度で、入浴所開設までには平均で6時間程度の準備時間が必要だともいわれています。
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こうした表に出る行動以外にも、入浴所を撤収して部隊に帰ってからの整備も大変です。大型の装備品のため清掃も大変で備品も多く、それらを保管しておく大型の倉庫も必要です。
ほかにも、これらの備品を持ち出す大型トラックも必要で、そのトラックを運転するための運転手には大型自動車運転免許とけん引免許も必要になります。また、給水に必要な大型水タンク車や、燃料運搬のためのトラック、その燃料を蓄えておく施設も必要になるなど、様々な点において自治体で保有するのが難しいと考えられる理由が挙げられます。
なお、使用する水は水タンク車などによって給水されるほか、場所によっては自治体が管理する水道を使用することもあります。つまり基本的に現地調達なのですが、もし断水の影響で水道水が使えない場合は、水道が使える最寄り駐屯地や協定を組んでいる農協などの取水場などから調達してきます。また排水に関しては、事前に各自治体と調整をして、あらかじめ下水などが使用できる場所を確保し、その場所に入浴所を展開しているとのことでした。
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大規模災害では、全国各地の部隊が「野外入浴セット」を被災地に展開させます。その時には、部隊が置かれた土地の名勝などを名付けた「〇〇の湯」というのれんが掲げられます。この「のれん」は、部隊で用意したものであったり、部隊のOBなどが寄付していたりするそうです。上述のように基本的に水道水で温泉成分も入っていませんが、こうした粋な演出が利用者からは好評で、なかには周辺に展開しているいくつかの入浴施設を巡る利用者もいるそうです。
大地震や水害などの大規模災害は発生しないのが一番の理想ですが、しかしいつどこで発生するかわかりません。もし、被災してしまったら、ぜひ近くの自衛隊入浴施設に足を運んでください。部隊によっては、自ら移動できない被災者のために、避難所からシャトルバスを運行している場合もあります。
若しかして自衛隊を海外に送りたくない人達ってこういう身の周りの世話をして欲しいだけなのかも