テントのお風呂、給排水どうしてる? ほか災害派遣における陸自入浴支援の舞台裏とは(写真20枚)

では隊員はどうしているのか、というと…?

 この自衛隊の入浴施設ですが、被災地では被災者の利用を最優先しています。そのため自衛官たちは、入浴支援時間終了後にあまったお湯を使ってお風呂に入っているそうです。それでも、状況によっては毎日入浴することができない場合もあるといいます。これは、被災者優先であることと、準備に時間がかかること、そして災害派遣に参加している隊員たちの活動時間が関係しています。

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北海道厚真町に設置された入浴所を運営する第7師団の隊員たち。入り口では自治体が用意したシャンプーやタオルの貸し出しを行っていた(矢作真弓撮影)。

 災害派遣に参加している隊員たちは、早朝から夜間まで各種の作業をしています。すると、比較的ゆっくりできるのが20時や21時ごろとなります。浴場の運営時間は遅くても21時くらいまでになりますので、結果として残り湯を使うことになるのです。場合によっては、24時間態勢で活動している時もあるので、お風呂に入っている時間が無いという声も聞こえてきます。

 そうした、自衛官の入浴を支援してくれるのが、実は海上自衛隊の護衛艦です。その日の災害派遣活動を終えた陸上自衛官たちが、トラックに乗って護衛艦などの艦艇までお風呂に入りに行くのです。

 2004(平成16)年10月に発生した中越地震の当時、現役自衛官だった筆者も、海上自衛隊の「おおすみ」型輸送艦のお風呂に入ったことがあります。ちなみに、この時の筆者は、被災地での給食支援に参加し、避難所で食事を作っていました。

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入浴施設に設置された自由帳。ここには利用者たちのメッセージが込められている(矢作真弓撮影)。
入浴所に設置された自由帳をめくると、利用者たちの声やイラストが書かれていた(矢作真弓撮影)。
利用者からのメッセージが書かれた自由帳。様々な言葉か書き連ねられていた(矢作真弓撮影)。

 余談になりますが、この入浴施設の受付や休憩所には「自由帳」が置いてある場合があります。利用者たちが自由に書き込めるようになっていて、ここに書かれた言葉は、自衛官たちの励みにもなっているとのことでした。見かけた時にひと言、何か書いていくと、隊員さんたちが喜んでくれるかもしれませんね。

【了】

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Writer: 矢作真弓(軍事フォトライター)

2003年陸上自衛隊入隊。約10年間勤務した後にフリーフォトライターとなる。現場取材に力を入れており、自衛官たちの様々な表情を記録し続けている。「SATマガジン」(SATマガジン編集部)や「JWings」(イカロス出版)、「パンツァー」(アルゴノート)などに寄稿。

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コメント

1件のコメント

  1. 若しかして自衛隊を海外に送りたくない人達ってこういう身の周りの世話をして欲しいだけなのかも