線路も走れる旧日本軍の秘密兵器! どう見ても戦車な九五式装甲軌道車なぜ作られた?

地面はもちろん線路も走れる、見た目はほぼ戦車の「九五式装甲軌道車」は、なぜ作られたのでしょうか。鉄道の重要性が現代よりはるかに高かった昭和初期の、“撮影禁止の秘密兵器”だったそうですが、当時の写真もあります。

固有武装がなかったちょっと意外な理由とは

 九五式装甲軌道車は、84馬力エンジンを搭載して貨車を牽引することもできたので、鉄道部隊では大変重宝されました。121両が生産されて中国の鉄道第1、第2、第5、第6連隊に配属されたほか、太平洋戦争では鉄道第1連隊第3、4大隊がビルマ(現在のミャンマー)に派遣され、本車もイギリス軍と戦闘を交えています。

 装甲は前面でも10mm程度と、小銃弾に耐えられる程度の軽装甲で、砲塔はあるのに固定武装はありませんでした。陸軍の管理区分で本車は工兵用器材とされたため、武装は乗員が持ち込む携行小銃とされたのです。現場部隊からは機銃を固定武装化する要望も出されたようですが、固定武装を持つ装甲車両は工兵器材ではなく、正式に歩兵管轄の「戦車」という扱いになります。そうした、管理区分が違うという「お役所的な縛り」から、固定武装は取り付けられませんでした。

 終戦時に何台が残っていたのか不明ですが、日本国内には1台もありません。中国で接収されたと思われる車両が、中国の人民革命軍事博物館とロシアのクビンカ戦車博物館に保存展示されています。クビンカの車両は、実際に線路に乗った姿で展示されています。こんなユニークで貴重な日本戦車が国内に残っていないのは残念です。

【了】

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