陸自水陸両用車AAV7、災害時の使用が実際には難しいワケ 演習はすでに開始、課題は?(写真12枚)

海外では実績アリ、浸水被害に出動したAAV7

 海外では、AAV7で救援活動を行った実績がすでにあります。最近では、2015年8月に米国南部を襲ったハリケーン「カトリーナ」により水没した、ルイジアナ州ニューオーリンズで、第4海兵師団のAAV7が救難捜索と物資輸送で冠水地域を動き回りました。またその後、2017年8月から9月にかけてハリケーンによる洪水被害を受けたテキサス州ガルベストンなどでも、同師団のAAV7が救援に従事しています。

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2010年9月、ニューオーリンズの浸水地域で救援活動中の、米海兵隊第4両用戦大隊のAAV7。機関銃やてき弾銃は外している(画像:アメリカ海兵隊)。
2017年9月、テキサス州ガルベストンで被災地向けの救援物資を満載した状態の第4両用戦大隊のAAV7(画像:アメリカ海兵隊)。

 アジアに目を転じてみると、2010(平成22)年9月、台風「Fanapi(台湾名『凡那比』)」によって冠水した台湾南部の高雄市において、台湾海兵隊のAAV7が住民救出のために出動しています。

 AAV7なら水深に関係なく活動でき、さらに泥水などで障害物が多かったり、瓦礫が漂っていたりするなどして水底が不明、もしくは危険な状況であったとしても、ある程度安全に進むことが可能です。

 ただし、日本の場合、洪水に対してすぐさまAAV7の出動が可能となるわけではなく、そもそも自治体から防衛省・自衛隊に災害派遣要請が出ているのか、もしくは自主派遣の判断に足り得る大規模災害なのか、冠水していたとしても私有財産を壊した際に免責となるのかなどのハードルがあるのです。

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コメント

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1件のコメント

  1. 確かに高額装備だから災害出動を主とした配備は出来ないでしょう。

    現場の自衛官の方々の負担が増す様で有れば逆効果なので、無理しないで有効活用して頂きたいです。