陸自水陸両用車AAV7、災害時の使用が実際には難しいワケ 演習はすでに開始、課題は?(写真12枚)

島しょへの上陸などに使用される陸自のAAV7こと「水陸両用車」は、災害時の活用も期待されます。そうした想定の訓練はすでに開始されていますが、実際に出動となると、まだ解決すべき課題がありました。

活用するには運用上のハードルも

 また現状では、AAV7は大分県玖珠(くす)町の玖珠駐屯地や長崎県佐世保市の相浦駐屯地にしか配備されていません(ほか、茨城県土浦市の陸上自衛隊武器学校に教育用の1両が配備されている)。さらに、出動するにはそれを運ぶための運搬車や輸送艦が必要となります。

 緊急時、高速道路や国道で繋がっている場所へ救援部隊を派遣するには、あえてAAV7である必要がなく、それならば即応性に優れるヘリコプターなど、ほかの装備が優先されるのはいうまでもありません。またボートならば全国各地の駐屯地、部隊に配備されているため、そうなるとヘリコプターやボートでの派遣が、今後もメインになると推察されます。そのため現状では、AAV7は部隊派遣の難しい離島や、東日本大震災クラスの超大型災害に限定されそうです。

Large 20181218 01
「みちのくALERT2018」で被災者(想定)を発見し担架で運ぶ水陸機動団の隊員。AAV7は浮航時の破損を防ぐためかヘッドライトを外していた(月刊PANZER編集部撮影)。

 それでも所有する装備を災害派遣にも対応できるよう、日頃から訓練しておく必要はあるため、「みちのくALERT2018」のような実動演習は必要でしょう。

 AAV7の使い道を、離島防衛のみに限定するのは宝の持ち腐れです。AAV7導入の賛否はともかく、せっかく導入した装備ならばそれを最大限有効活用すべきなのはいうまでもありません。

 離島の災害救援や水没地域の救難活動に使えるよう、AAV7の運用方法を防衛省・自衛隊には確立してもらいたいものです。

【了】

この記事の画像をもっと見る(12枚)

【ミリタリー】急げ、救え! 自衛隊「災害派遣」の現場にせまる!

最新記事

コメント

1件のコメント

  1. 確かに高額装備だから災害出動を主とした配備は出来ないでしょう。

    現場の自衛官の方々の負担が増す様で有れば逆効果なので、無理しないで有効活用して頂きたいです。

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス