カルロス・ゴーン時代の日産を振り返る どん底からスタートした約20年の足跡とは?

カルロス・ゴーン氏が、窮地に陥っていた日産の最高執行責任者(COO)に就任したのは1999年のことでした。それからおよそ20年、両者がたどった足跡を振り返ります。

さらなる成長とリーマンショック

 右肩上がりの成長を続ける日産は、2005年に次なる計画「日産バリューアップ」を発表します。目標は、2008(平成20)年度のグローバル販売台数420万台です。ちなみに、このときまでに有利子負債はゼロになっており、2004年末の時点で2000億円のキャッシュを有するようになっていました。また、世界市場での日産の存在感を高めるため、「インフィニティ」を一流のラグジュアリー・ブランドとして世界各地に投入することも発表されました。

 2005年5月からゴーン氏は、日産だけでなくルノーのCEOも兼任するようになり、日本とフランスだけでなく、世界各地を飛び回る毎日となりました。

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2007年発売、R35型「GT-R」(画像:日産自動車)。

 2007(平成19)年には、日産のスポーツマインドの象徴とでもいうべきクルマがデビューします。「GT-R」です。ゴーン氏は、リストラ請負人と言われながらも、「フェレディZ」(2002年)や「GT-R」「スカイライン」(2001年)といった、日産の伝統的なモデルを存続させた経営者でもあったのです。

 順調な成長を続けてきた日産に冷や水を浴びせかけたのが、2008年のリーマンショックでした。日産は、ちょうど「GT2012」という5か年計画を進めていましたが、すぐさま計画を凍結。生産縮小や報酬カットなどを実施します。結局、2008年の世界販売台数は、前年比9.5%減の341万1000台に。当期純損失2337億円となります。ただし、アメリカのビッグ3(GM〈ゼネラル・モーターズ〉、フォード・モーター、クライスラー)のうち、GMとクライスラーの2社が破綻したことを鑑みれば、比較的、軽傷で済ますことができたのではないでしょうか。

 ちなみに、「GT2012」の一部であった「EVの開発」は継続されており、日産は2010(平成22)年に、電気自動車である「リーフ」を世に送り出します。またこの年、「マーチ」は新型になりますが、驚いたのは、生産が日本からタイに移されたことです。「マーチ」は、よりグローバルな存在となった一方で、日本国内での販売に苦戦することになります。さらに同年、日産・ルノーのアライアンスは、ダイムラー(ドイツ)との戦略的提携を発表。小型車(「スマート」「トゥインゴ」など)の共同開発や、エンジン類の相互提供、小型商用車での提携などを行うことになりました。現在、インフィニティにダイムラーのエンジンが搭載されているのは、この提携が理由です。

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