JRおおさか東線、全通遅れたワケ 着工20年、用地買収の難航だけじゃなかった(写真85枚)

計画の変更で新たな可能性が

 北区間の踏切問題にめどがついたのは、当初の開業予定時期を間近に控えた2005(平成17)年1月のことです。

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北区間の南吹田駅(2018年11月、草町義和撮影)。

 先に述べた通り、東海道本線は東側に旅客列車の線路、西側には梅田貨物線の線路が敷かれていました。そこで、新大阪駅から京都方面へ約1.6kmの地点までは西側の梅田貨物線を走行。そこからおおさか東線の線路を分岐させることが考えられました。これなら列車本数は増えるものの、線路が増えることはありません。踏切の横断距離も現状を維持できます。

 こうして北区間の計画が変更され、開業予定時期は6年遅れの2012(平成24)年春に設定されました。しかし計画の変更で、新大阪駅は東海道本線も含めてホームを並べ替えるという大掛かりな工事が必要に。南区間と同様に一部の区間で用地買収が難航したこともあり、2009(平成21)年には再び開業予定時期を変更。さらに7年遅れて2019年春開業の予定となったのです。

 このように、おおさか東線は用地買収の難航に加えて「開かずの踏切」も障壁になり、開業が大幅に遅れることになったのです。しかも、「開かずの踏切」は歩道橋や迂回(うかい)道路の整備に伴い、2018年11月に廃止されています。

 ただ、おおさか東線の列車が走ることになった梅田貨物線は、新大阪駅から大阪駅の北側を通って大阪環状線の西九条駅に抜けるルート。大阪駅の北側に北梅田駅(仮称)を新設する工事(2023年春開業予定)も進んでいますから、おおさか東線の列車を北梅田駅まで乗り入れさせて、利便性を高めることも不可能ではありません。実際に北梅田駅に乗り入れるかどうかは未定ですが、計画の変更でおおさか東線に新たな可能性が生まれたといえるかもしれません。

【了】

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コメント

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1件のコメント

  1. 北梅田駅(仮称)って、「梅田貨物線」ではなくて「なにわ筋線」として開通するんじゃないの?
    それに、新大阪を介して「なにわ筋線」と「おおさか東線」が直通運転って可能性も需要もあるのだろうか。。。