海自新規導入の「哨戒艦」どんな船に? 定義あいまい各国様々、日本に必要なのは…

海上自衛隊が新たに「哨戒艦」と、これを運用する部隊を導入します。ただ、ひと口に「哨戒艦」といっても定義はあいまいで、世界各国に様々な哨戒艦艇が存在。どのような艦艇が導入されるのか、予想します。

いろいろありすぎる「哨戒艦」、各国の事例

 アメリカは、領海や領土の沿岸、港湾における防衛や警備、救難活動を、日本の海上保安庁に相当する「沿岸警備隊」の任務と位置づけています。このため、アメリカ海軍における哨戒艦艇というと、海軍の特殊部隊である「SEALs」の火力支援などを主任務とする、満載排水量334トン(船体延長型は387トン)のサイクロン級哨戒艇13隻など、比較的小型なものを運用しています。

 その一方でイギリス海軍は、満載排水量1700トンから2000トンに達するリバー級哨戒艦を4隻保有。イギリス近海と南米のフォークランド諸島に配備して、おもに自国の漁船の保護と救難を行なっているほか、イタリア海軍も満載排水量1520トンに達するコマンダンテ級哨戒艦を6隻保有し、自国の領海と排他的経済水域の監視に使用しています。

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海外領土の警備も行なっている、オランダ海軍のホラント級哨戒艦(画像:オランダ国防省)。

 オランダは、現在も西インド諸島のアルバなどといった海外領土を保有しています。オランダ海軍が4隻を運用しているホラント級哨戒艦は、本国から遠く離れた海外領土の領海警備や救難も任務としているため、大洋を航行できるだけの航洋性や、長期の任務にあたる乗組員の居住性などを考慮した結果、大型化し、満載排水量はあぶくま型護衛艦(推定満載排水量2950トン)を上回る3750トンに達しています。

 また、ノルウェー沿岸警備隊が運用している哨戒艦「スヴァールバル」は、北極圏に含まれるノルウェー領スヴァールバル諸島の警備と救難を担当しているため、海上自衛隊が運用している砕氷艦「しらせ」などと同様の砕氷能力を備えており、満載排水量6375トンの大型艦となっています。

 イギリス、イタリア、オランダは、有事の際に哨戒艦を戦闘艦として使用する構想を持っていませんが、マレーシア海軍が6隻を運用しているクダ級哨戒艦や、ノルウェー沿岸警備隊のノールカップ級哨戒艦などは、有事の際には対艦ミサイルや対空ミサイルを搭載し戦闘艦へ改装できる設計になっています。またノルウェー海軍のクヌート・ラスムッセン級哨戒艦は、必要に応じてモジュール化された装備を交換できる構造を採用しており、ノルウェー海軍は有事の際、海上自衛隊の護衛艦にも搭載されている対空ミサイル「ESSM(発展型シー・スパロー)」の発射装置モジュールなどといった兵装モジュールを搭載して、戦闘艦として使用する構想を持っています。

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