海自新規導入の「哨戒艦」どんな船に? 定義あいまい各国様々、日本に必要なのは…

海上自衛隊が新たに「哨戒艦」と、これを運用する部隊を導入します。ただ、ひと口に「哨戒艦」といっても定義はあいまいで、世界各国に様々な哨戒艦艇が存在。どのような艦艇が導入されるのか、予想します。

まさかの「三胴船」も? どうなる海自の新型「哨戒艦」

 これまで述べてきたように、ひと口に「哨戒艦」と言っても、大きさや運用構想は国によって大きく異なります。海上自衛隊は防衛大綱と中期防の説明会で、導入予定の「哨戒艦」に関し、装備品などを搭載しない船体だけの基準排水量は1000トン級、乗員は30名程度になると説明しています。

 他方、防衛省はアメリカとのあいだで、複数の船体を甲板で並行に繋いだ「多胴船」の共同研究を行っており、防衛省の外局で防衛装備品の研究開発を任務のひとつとする防衛装備庁は、3つの胴体を甲板で並行に繋いだ「将来三胴船コンセプト」を発表しています。

Large 20190125 01
防衛装備庁が研究を進めている「将来三胴船」の模型(竹内 修撮影)。

 防衛装備庁の発表した「将来三胴船」のスペックは全長92m、全幅21m、満載排水量1500トンで、防衛省が上述の説明会で発表した「哨戒艦」の基準排水量1000トンという数字とのあいだに大きな開きはありません。そして、三胴船は横揺れが少なく、また甲板面積を大きくできるため、大型のヘリコプターを搭載できるといったメリットがありますが、まだ実用例が少ないため信頼性の面で不安があり、価格も単胴船に比べて高くなるというデメリットもあります。このため、新たに建造される哨戒艦は三胴船ではなく、護衛艦などと同様の単胴船になる可能性もあると考えられます。

「将来三胴船」の武装は76mm単装速射砲1門で、ノルウェーのクヌート・ラスムッセン級哨戒艦のように、必要に応じて各種モジュールを搭載することが想定されています。76mm単装速射砲は、イタリアのコマンダンテ級など、外国で運用されている多くの哨戒艦に搭載されています。また、あぶくま型護衛艦やはやぶさ型ミサイル艇にも搭載されているため、退役したそれらのものを流用できることから、どのような船型になるにせよ、新たに建造される哨戒艦の主武装が、76mm単装速射砲となる可能性は高いと考えられます。さらに、必要に応じて各種モジュールを搭載するというコンセプトも、近年の哨戒艦ではトレンドとなっていることから、海上自衛隊の哨戒艦もこのコンセプトを取り入れるのではないかと、筆者(竹内修:軍事ジャーナリスト)は思います。

「哨戒艦」は護衛艦に比べて地味な存在ですが、四方を海に囲まれた日本の安全を守る上では重要な艦となることは間違いなく、今後の推移が注目されます。

【了】

この記事の画像をもっと見る(4枚)

最新記事

コメント

1件のコメント

  1. ゲストです

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス