ロシア軍機また死亡事故、墜ちたTu-22Mは米露軍縮の政治的「例外」…どんな飛行機?

Su-34戦闘爆撃機に続き、死亡事故を起こしたTu-22M爆撃機は、米露の政治的駆け引きでやり玉に挙げられるほど高性能で、核攻撃も可能ですが、軍縮条約の「例外」扱いだそうです。どういうことでしょうか。

搭載ミサイルは「破格に高性能」、周辺国には十分脅威

「バックファイア宣言」は、端的に「アメリカ本土さえ核攻撃できなければ重爆撃機ではない」という意味だといえます。一方で、ロシアから距離的に近い日本やヨーロッパ諸国にとって、核搭載能力を持つTu-22Mは、十分に脅威的な重爆撃機ないし戦略爆撃機であるといえるでしょう。

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ツポレフTu-160「ブラックジャック」重爆撃機。Tu-22Mに似ているがひと回り大きい。現在生産が進んでおり、いずれ数的主力となる(関 賢太郎撮影)。

 Tu-22Mの主要な兵装は、Kh-22空中発射型巡航ミサイル。世界で最も高性能で巨大な巡航ミサイルのひとつであり、重量はほとんど飛行機並みの約6t。射程600km以上、マッハ4以上の速度で飛翔し、核弾頭型であれば広島型原爆の10倍に匹敵する200キロトンの威力があります。また、発展型のKh-32が開発されています。このような破格に高性能なKh-22/32ミサイルは、アメリカ海軍の空母打撃群への攻撃を特に意識しているとも見られます。

 現行型のTu-22M3はシリアでの作戦に投入されていますが、驚くべきことに、無誘導爆弾による絨毯爆撃を行っているようです。

 アメリカ空軍は爆撃機に無誘導爆弾を搭載せず、一発必中の誘導爆弾によって多数の標的を破壊するという運用をしており、40発の爆弾を搭載していれば40目標を破壊できます。

 一方ロシアのやり方では、搭載した爆弾のほとんどは標的に命中せず、単にクレーターを造ることになりますから、爆撃機としての能力は、米国のそれには遠くおよばないといえるでしょう。

 現在、ロシアでは近代化改修型Tu-22M3Mや、将来的に後継機となる見込みの、B-2相当と推定されるPAK-DAが開発されていますが、誘導爆弾不足を解消したほうが、戦力向上には効果的かもしれません。

【了】

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