スタッドレスタイヤはなぜ滑りにくいのか その開発の難しさ 滑りやすい日本の凍結路面

次世代スタッドレスタイヤへの課題は?

 しかし、「新マイクロ吸水バルーン」は樹脂の球体であるため、ゴムのなかにあっても剛性を落としません。今回の体験会で用意されたタイヤには、吸水剤として「新マイクロ吸水バルーン」を、市販品の3倍多く混ぜたといいます。ちなみに「新マイクロ吸水バルーン」の大きさは50ミクロン(0.05mm)前後で、肉眼では砂のように見えるとか。それを、タイヤのゴムに数%配合しているのです。

Large 190208 yoko 05

拡大画像

今回試乗したのは、横浜ゴムのスタッドレスタイヤ「iceGUARD 6」(写真右)のスペシャルバージョン(画像:横浜ゴム)。

 実際に、「新マイクロ吸水バルーン」を3倍配合したタイヤで氷上を走ってみれば、市販品との差は歴然でした。発進から急ブレーキ、コーナリングまで、すべての領域で、市販品よりも高いグリップ力を発揮します。「なぜ市販品で、これくらいたくさん配合できなかったの?」と聞けば、「製造の問題、コストの問題、耐摩耗性などの問題があります」と、ほかに不具合が出てしまうので、市販品では配合を高められなかったといいます。とはいえ次世代製品では、そのあたりをなんとか克服しようということで、現在は一生懸命に開発しているところとか。

 まだまだ、スタッドレスタイヤの性能は高まるということですね。新製品の登場に期待しましょう。

【了】

この記事の画像をもっと見る(6枚)

テーマ特集「【タイヤ特集】交換時期からメンテナンス方法までクルマのタイヤを徹底解説 購入・交換時に役立つタイヤチェーンやパンク対策情報も」へ

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

1件のコメント

  1. 駆動輪で操舵する前輪駆動が蔓延してる時世だから開発も難儀するだろうね