軍艦の名前あれこれ 人名多いアメリカ海軍と全くない海上自衛隊 例外にも理由あり

日本の艦艇の場合は?

 アメリカ海軍以外でも、フランス海軍の原子力空母「シャルル・ド・ゴール」(軍人・大統領)、ロシア海軍の空母「アドミラル・クズネツォフ」(旧ソ連海軍元帥)、イタリア海軍のミサイル駆逐艦「アンドレア・ドーリア」(海軍軍人)など、ほとんどの主要国の海軍では、その国の歴史に名を刻んだ人名を軍艦の名前として使用していますが、前にも述べたように、日本は旧日本海軍、海上自衛隊とも軍艦(自衛艦)に人名を使用したことがありません。

 海上自衛隊の自衛艦は、1960(昭和35)年に定められた訓令によって艦名が付けられており、その訓令には人名を使用しないことが明記されています。

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「しらせ」は、海上自衛隊では「砕氷艦(さいひょうかん)」、文部科学省と極地研究所では「南極観測船」と呼称されている(画像:海上自衛隊)。

 南極観測の支援を行なっている海上自衛隊の砕氷艦「しらせ」は、日本で初めて南極探検を行なった白瀬 矗(しらせのぶ)陸軍中尉の名前から艦名を付けたと思われがちですが、その由来は日本の南極観測の拠点である昭和基地の近くにある、白瀬陸軍中尉の功績を称えて命名された氷河「白瀬氷河」であり、まったく無関係とはいえないものの、白瀬陸軍中尉の名前に由来したものではありません。

 前に述べた訓令により、海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦には「ひゅうが」といった旧国名か「しらね」といった山岳名、ミサイル護衛艦には「こんごう」のような山岳名か「あまつかぜ」のような天象気象名、汎用護衛艦には「あきづき」のような天象気象名、地方隊用護衛艦には「あぶくま」のような河川名に由来する艦名を付ける決まりになっています。

 多くの護衛艦は旧海軍の軍艦の名前を継承しており、「あさひ」や「あけぼの」のように、自衛隊の護衛艦に2回、同じ名前が使われた例がある一方で、日本海軍の象徴とでもいうべき存在であった戦艦「大和」「武蔵」「長門」「陸奥」、空母「赤城」などは一度も使われていません。これらの艦名が護衛艦に使用されない理由は不明ですが、おそらく、偉大な功績を残した役者の名前を二度と使わないという歌舞伎界のしきたり「止め名」のような理由から、使用されていないのではないかと筆者(竹内修:軍事ジャーナリスト)は思います。

【了】

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コメント

3件のコメント

  1. 『戦闘妖精雪風』に「アドミラル56」という日本海軍の原子力空母が……

  2. 金剛は一時は日本を象徴する艦だったと思うけど?お召し艦にもなったし。
    それに赤城を例に挙げて加賀を無視するとか筆者の偏見に充ち満ちた文章だね

  3. ジミー・カーター氏って、まだ存命ですよね。
    生きている人でも命名できる場合とできない場合の規準はあるのでしょうか。