老舗路線を一新「本州第2位の長距離路線バス」誕生の背景 ローカル路線バスは変革期へ

約半世紀にわたり三重県中部と南部を結んでいた「南紀特急バス」が、「各停」の一般路線バス「松阪熊野線」にリニューアル。本州第2位の長距離路線バスが誕生しました。路線の維持が厳しさを増すなか、路線バスは変化しつつあります。

「各停化」で利便性向上 車内も路線バスらしからぬ…

 三重交通はなぜ、特急バスから長距離路線バス(松阪熊野線)へのリニューアルに至ったのでしょうか。

 ひとつは、「沿線居住者の利便向上」です。「南紀特急バス」時代から、同路線は「地域間幹線系統」として国や三重県、自治体の補助を受けて運行していますが、沿線人口の減少やモータリゼーションの進展などによる利用客の減少が大きな課題でした。

 そこで、運行本数を現在の利用状況にあった本数(4往復)へ適正化するとともに、尾鷲市から熊野市まで路線を延長、さらに全停留所(119か所)での乗降扱いを行うことで、沿線居住者の利便性向上を図っています。使用する車両も、バリアフリーに対応し環境性能にも優れたハイブリッド式大型ノンステップバスを3台投入しました。

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「松阪熊野線」のバス車内。長距離運行のため、背もたれが高いハイバックシートを採用(須田浩司撮影)。
シート背面にはドリンクホルダー、シートポケットも完備(須田浩司撮影)。
一部座席には充電用USBポートも装備(須田浩司撮影)。

 もうひとつは、「観光利用者の拡大」です。沿線には、伊勢神宮「内宮(ないくう)」の別宮で参拝客が多いことでも知られている「瀧原宮(たきはらのみや)」(大紀町)のほか、熊野古道や荷坂峠(大紀町・紀北町境)頂上からの景色、紀北町以南の海岸線など、見どころが多い場所。これらへ「路線バスで来てもらおう」という意図が見てとれます。

 実際、運行ダイヤは長距離移動客を考慮し、一般路線バスでは珍しい途中休憩を2回設けているほか、車内にはドリンクホルダーやシートポケット、充電用USBポート(一部座席のみ)を装備。無料Wi-Fiも提供するなど、観光利用を意識したサービス内容になっています。

【路線図】海あり山あり、史跡もたっぷり「松阪熊野線」

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