観光地化する高速SA・PA 鉄道駅から路線バスも 「一般道から入場可」拡大のワケ
一部のSA・PAで、鉄道駅からそこへアクセスするための路線バスが設定されています。SA・PAはいま、「高速道路利用者の休憩施設」から「地域の観光拠点」となりつつあるのです。
いまや遊園地もあるSA・PA
高速道路のSA・PAは、高速道路を使う人だけを利用者として想定しているとは限りません。一般道から徒歩で入場できるSA・PAもあり、そこへのアクセス手段として、鉄道駅から路線バスが運行されているケースも存在します。
たとえば伊勢湾道の刈谷PA(愛知県刈谷市)には、高速道からも一般道からも利用できるテーマパーク「刈谷ハイウェイオアシス」が併設されており、年間約880万人が訪れています。ここへ、JR刈谷駅からコミュニティバスが2路線運行されており、いずれも施設内にある「刈谷ハイウェイオアシス」バス停に停車。また、名鉄の知立駅に発着する名鉄バス、豊田市コミュニティバスの路線も、刈谷ハイウェイオアシスがウェブサイトで「アクセス手段」として紹介しています。
日本最大規模のSAで、多くの飲食店などが集まる東名高速の海老名SA(神奈川県海老名市)には、海老名市が小田急線の海老名駅からコミュニティバスを運行。まず2012(平成24)年、前年に海老名SAの上り線が「EXPASA(エクスパーサ)海老名」としてリニューアルオープンし、一般道に通じる出入口ができたことを受け、市はコミュニティバスのルートを一部変更のうえ「EXPASA海老名前」バス停を新設。その4年後、下り線側にも出入口ができると、同様に「海老名サービスエリア下り」バス停を新設しました。
「もともとコミュニティバスはSAの近くを通っていたものの、外から入れなかったので素通りしていました。市内にこれといった観光地がないなか、日本中から人が集まる海老名SAにコミュニティバスの停留所を開設すれば、利用増につながるのではないかと考えました」(海老名市都市計画課)
市によると、海老名SAに立ち寄る路線は、コミュニティバス3路線のなかで利用者が最多で、「『海老名駅からバスで行けると聞いたのですが』といったお問い合わせを受けることも増えました」とのことです。
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