老舗路線を一新「本州第2位の長距離路線バス」誕生の背景 ローカル路線バスは変革期へ

約半世紀にわたり三重県中部と南部を結んでいた「南紀特急バス」が、「各停」の一般路線バス「松阪熊野線」にリニューアル。本州第2位の長距離路線バスが誕生しました。路線の維持が厳しさを増すなか、路線バスは変化しつつあります。

路線バスはもっと変われる!

 バスの生産性を向上させる取り組みとして、近年目立って増加しているのが、バス事業者と物流事業者が連携した、路線バスによる「貨客混載」です。旅客の運送に付随して、乗車している旅客の荷物でない荷物を路線バスで運送するというもので、北海道から九州まで全国各地で広がっています。

「貨客混載」は、「輸送距離や労働時間の削減(物流事業者)」「運賃収入の増加(バス事業者)」などにメリットがある一方で、「停留所の移設、ダイヤ改正などによる調整が発生」「継続して一定程度の物量がないと事業継続が難しい」などのデメリットも。今後は、「手ぶら観光」の支援(三重交通は鳥羽駅から伊勢市駅までの回送バスで荷物配送を実施)や、買い物支援といった「貨客混載」の組み合わせによる付加価値向上、バスへの自転車積載などによる収益向上などといったレベルアップが課題といえましょう。

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北紋バスの路線バスを活用した「貨客混載」の例(須田浩司撮影)。

 そのほか、広報誌やウェブ媒体を活用したPR活動、自社ウェブサイトの多言語化、公共交通オープンデータの公開、そうしたデータのコンテンツプロバイダへの提供など、生産性向上と利便性向上の取り組みは全国各地で行われています。

 しかし、これらの取り組みがすぐに実を結ぶかといえば、必ずしもそうではありません。大事なのは、住民、自治体、事業者が一体となって持続可能な公共交通を守り育てる活動と、地域外の人にも利用してもらえるような利用促進策の推進、そして路線再編などに見られる効率化を同時進行で、かつ継続して行っていくことではないでしょうか。

【了】

【路線図】海あり山あり、史跡もたっぷり「松阪熊野線」

Writer:

自称「高速バスアドバイザー」。運行管理者資格所有。高速バス乗車1100回以上。 紙原稿・ネット原稿・同人誌・ブログなどを通じてバス・鉄道を中心とした 「乗りもの旅」の素晴らしさを伝える活動を行う。北海道在住。

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