災害時の移動はやはりバイク最強? 陸自が災害時情報収集で民間バイク団体と協定結ぶ

人が現場に行く意味 ドローンには得られない情報もある

 災害発生時において、最も大切なのは「現地の情報」です。

 たとえば1995(平成7)年に発生した「阪神淡路大震災」の場合、大阪から神戸までクルマ(4輪車)で16時間かかった移動時間が、バイク(2輪車)であれば2時間程度で到達できたといいます。また2018年の「西日本豪雨」では、通常クルマで1時間30分程度の距離が、7時間かかったとも紹介されました。こうした移動時間は、自衛隊と被災者双方にとって避けたい「空白の時間」であり、これを穴埋めし、現地の情報をすみやかに収集する役目が、災害VBN関東には期待されています。

Large 190318 vbn 02
協定書に署名し、握手を交わす陸上自衛隊の嶋本1佐と災害ボランティアバイクネットワーク関東の赤坂さん(2019年3月18日、武若雅哉撮影)。

 陸上自衛隊東部方面隊は過去に、民間のドローン団体とも「災害時協定」を結んでいます。そのことに対し嶋本1佐は「空からの情報も非常に有効なのですが、バイクであれば、現地の『臭い』や『音』などの情報をも収集することができます」と、バイクで現地に人が向かう利点を挙げます。

 また、バイクで運ぶことができる程度の大きさの物資輸送も、災害VBN関東が担うかもしれないとのことでした。具体的には、緊急で必要な医薬品などがそれに当たります。さらに、通信インフラが途絶している場合には「伝令」として、被災地と災害対策本部などを繋ぐ役目も期待されています。

 災害VBN関東の赤坂正人会長は「現在、災害VBN関東は八潮市、新座市、横浜市、東京都と災害時における協定を結んでいます。会員数は2019年2月末の段階で約661名です。あくまでボランティア団体ですので、会員の意志確認を行っておりまして、現在までに約100名近くの方から(自衛隊への協力活動に)参加表明をいただいております」といいます。

この記事の画像をもっと見る(4枚)

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

2件のコメント

  1. 高機動車・ピックアップトラック・クロスカントリー車よりも災害時はバイクなのか・・・?

  2. ん~、何か他の特装車の立場が無いな