戦闘機になぜ鮫の口? F-4「ファントムII」ノーズ彩る「シャークティース」の起源
「鮫の口(歯)」の始まりはP-40から
「ノーズアート」は、おもに部隊の士気高揚を目的に描かれたといいます。たとえば太平洋戦争中、東京空襲や広島への原爆投下作戦にも関わった、アメリカ陸軍航空隊のB-29爆撃機「ストレートフラッシュ」号のノーズには、洋式便器に流され苦しむ日本兵の姿がコミカルなタッチで描かれています。同軍ではほかにも、動物やアニメのキャラクター、女性のイラストなど、多彩なノーズアートが見られました。
「そして『シャークティース』、当時は『シャークマウス』と呼ばれていたのですが、これが登場したのもこの第2次世界大戦の時期で、最初に描かれたのはアメリカのカーティス・ライト社が製造したP-40という戦闘機でした」(嶋田さん)
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P-40の機首には大きなラジエーター(エンジンの冷却装置)が取り付けられており、その形状はまるでサメの頭のような形をしています。そこに目を付けたアメリカ陸軍航空隊の兵士がサメの口を描いたところ、それがとても格好良かったため、部隊の中で評判になり、「P-40といえばシャークティース」といわれるほど有名になっていったといいます。
やがてベトナム戦争が勃発すると、前線に投入されたF-4「ファントムII」のノーズを、シャークティースが彩るようになりました。
>F-4戦闘機に最初に描かれたのは、1998(平成10)年の第301飛行隊または第302飛行隊だったとのことです。
F-4戦闘機に最初に描かれたのはもっと古く、1980(昭和55)年の戦競での第303飛行隊(1987(昭和62)年にF-15へ機種改編)です。
ソースは文林堂発行の航空ファン1982年2月号の108ページ目です。
その時は簡単なデザインでしたが、本格的になったのは同じく1982(昭和57)年の戦競での第303飛行隊です。
これのソースは航空ファン1982年9月号の表紙とグラビアです。