戦闘機になぜ鮫の口? F-4「ファントムII」ノーズ彩る「シャークティース」の起源

航空自衛隊では80年代あたりから

 航空自衛隊にも、この文化が伝播しました。

「航空自衛隊機に本格的なシャークティースが描かれ始めたのは1980年代、隊内の技術競技会である『射撃大会』だったと記憶しています。この『射撃大会』は、いまでは『戦技競技会』と名称を変更しています」(嶋田さん)

 この時、F-86「セイバー」戦闘機に描かれたシャークティースが最初だったそうです。ただし嶋田さんによれば、機首の形状から「あまり似合わないデザインだった」とか。

Large 190423 shark 08 Large 190423 shark 09 Large 190423 shark 10

拡大画像

拡大画像

拡大画像

1997年まで航空自衛隊で運用されていたF-104戦闘機(嶋田康宏撮影)。
初期の第301飛行隊で見られたシャークティース(嶋田康宏撮影)。
第302飛行隊で見られたシャークティース。時代によって若干の違いがある(嶋田康宏撮影)。

 その後、航空自衛隊においては、F-104「スターファイター」戦闘機やF-15「イーグル」戦闘機などにも描かれたシャークティースですが、F-4戦闘機に最初に描かれたのは、1998(平成10)年の第301飛行隊または第302飛行隊だったとのことです。

 それから年月を経て、見た目の形状がほぼ同じRF-4戦術偵察機にも描かれるようになりました。ここしばらく姿を消していたシャークティースだったのですが、冒頭で触れたとおり、2019年4月に第501飛行隊でまた見られるようになりました。「機首の形状がサメに似ているように見えるF-4『ファントムII』には、シャークティースが良く映えます」と、嶋田さんも話します。

 全機退役まで残すところわずかとなった航空自衛隊のF-4戦闘機ですが、こうして特別なマーキングが施されると、部隊の士気とともに、戦闘機ウォッチャーたちの士気も高揚します。

【了】

この記事の画像をもっと見る(11枚)

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

1件のコメント

  1. >F-4戦闘機に最初に描かれたのは、1998(平成10)年の第301飛行隊または第302飛行隊だったとのことです。

    F-4戦闘機に最初に描かれたのはもっと古く、1980(昭和55)年の戦競での第303飛行隊(1987(昭和62)年にF-15へ機種改編)です。
    ソースは文林堂発行の航空ファン1982年2月号の108ページ目です。
    その時は簡単なデザインでしたが、本格的になったのは同じく1982(昭和57)年の戦競での第303飛行隊です。
    これのソースは航空ファン1982年9月号の表紙とグラビアです。