廃線まで1年を切ったJR北海道「札沼線」末端区間のいま 札幌~新十津川間を乗ってみた
駅がなくなっても町民が困らないわけ
新十津川駅付近には大きな総合病院やガス会社の営業所、アパートも立ち並び、決して秘境駅のような雰囲気ではありませんでした。近くには農業高校や町役場もあります。
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また約4.5km先に、幹線である函館本線の滝川駅(北海道滝川市)があり、特急列車も停車するほか、その駅前からは札幌行きの高速バスも走ります。
この滝川駅へは、新十津川町役場のバス停から路線バスで約15分の距離、そのため町民のほとんどは、鉄道で札幌などに行く場合、利便性の高い滝川駅に向かうそうです。
実際、新十津川駅を見に来る観光客のほとんどは、レンタカーか滝川駅経由で来るとのこと。そのため、駅舎や隣の土産物店、喫茶店などは始発兼最終列車が行ってしまっても営業を続け、また“唯一の列車”に乗ってきて折り返さなかった人も、滝川駅に出れば何とかなるため、帰りの足を気にすることなく駅周辺を見て回れるのです。
廃止まで、あと1年を切った新十津川駅。案外、のんびりした時間が流れていました。
しかし運行終了の直前になると、せわしなくなるのでしょう。ラストランの“お祭り”を味わうのも良いでしょうが、札沼線と新十津川駅をゆっくり楽しむなら、いまのウチだと思います。
【了】
Writer: 柘植優介(月刊PANZER編集長)
創刊40年以上を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)の編集人。子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。
既に乗り鉄の巣となっていたとは。。。
これらの乗り鉄さんが毎日欠かさず乗ってくれたとしても廃止は免れないのだろうな。