空自の国産輸送機C-1とC-2を乗り比べ トイレにも見えた数字に表せない両機の違いとは

航空自衛隊のC-2輸送機はC-1輸送機の後継として開発されましたが、まったくの別物といって差支えありません。その両機を乗り比べたところ、スペックの数字に表れないさまざまなところにも違いが見えました。

トイレの「使える/使えない」が意味するもの

 C-2にはトイレ以外にも、仮眠用ベッドが2床、配食用にレンジと冷蔵庫、ドリンクマシンと、旅客機と同じ構造のギャレー(配膳設備)も備えられています。海外派遣任務の際、むやみに日本から食料を持ち込むと検疫などの問題も生じるそうで、派遣先でケータリングサービスを受けることが多いため、旅客機と同じギャレーのほうが、使い勝手が良いそうです。

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C-1のトイレ内部。トイレットペーパーは付いているが“使わない”ため、備品庫のようになっている(月刊PANZER編集部撮影)。

 C-1の“使わないトイレ”とC-2の“使えるトイレ”の違いは、自衛隊の輸送機の任務、引いては自衛隊の任務の変様を象徴しています。C-1の航続距離は空荷時で2400km、最大積載量8tを積載すると1500kmになります。ちなみに羽田空港から那覇空港までが1687kmですので、いかにも短いことが分かります。一方C-2は、空荷時で9800km、最大積載量36tでも4500kmとなっています。

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C-2操縦席の後ろにある仮眠用のベッド(月刊PANZER編集部撮影)。
C-2配食用のギャレー(月刊PANZER編集部撮影)。
C-2の操縦席。グラスコックピット化された最新のもの(月刊PANZER編集部撮影)。

 C-1が計画された1960年代は“日本再軍備”が警戒される時代で、輸送機を国産するというだけで国会は大議論となる有様でした。そのため“他国の脅威にならない”という政治的配慮で航続距離はわざと短く設定、すなわち「C-1は日本国内のみで使う専守防衛用輸送機」というわけです。一方C-2は、時代が変わり海外派遣も本来任務となった現代の、自衛隊用の輸送機といえます。巡航速度はマッハ0.8であり、“空のハイウエー”である国際線航空路にものることができます。

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後部扉を開いて貨物を積載するC-2。最大積載量は36t(月刊PANZER編集部撮影)。
第3輸送航空隊のC-2は「ブルーホエール」と愛称される(画像:航空自衛隊美保基地)。
2017年の「パリ国際航空宇宙ショー」に出展された海自P-1哨戒機(画像:防衛省)。

 C-2は冒頭に述べたように、6月17日(月)からフランスのル・ブルジェ空港で開催される「パリ国際航空宇宙ショー」に初めて参加します。日本の航空機技術を広く世界にPRし、“防衛装備・技術協力”を促進させるのも任務なのです。

「武器輸出三原則」に代わる新たな政府方針として「防衛装備移転三原則」が制定されて以降、潜水艦や飛行艇などいくつかの大口商談がありましたが、成果は上がっていません。C-2は単なる輸送以上の任務を背負って世界の空を飛んでいます。

【了】

【写真】いかにも軍用機テイストなC-1の貨物室、人員輸送仕様

Writer:

1975(昭和50)年に創刊した、50年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

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コメント

2件のコメント

  1. 配信停止願います。自分で出来るのであれば教えて下さい。

    • メルマガなら、マイページの登録情報からチェックボックスを外せばいいかと思いますが

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