地方の「大阪への足」ピンチ G20期間中の高速バス大規模運休、影響は広範に

「G20大阪サミット」の開催にともなう交通規制の影響で、大阪に発着する高速バスの多くが4日間にわたり運休や経路変更を余儀なくされます。高速バスのシェアが大きい地域では、その影響は深刻です。事業者はどう対策するのでしょうか。

地方の「大阪への足」に大きな打撃

 運休を決める前に予約を受け付けていた高速バス事業者もあり、当該予約についてはメールなどで個別に連絡するとしています。また2019年6月12日時点でも、共同運行先との協議や、代替となる停留所の調整を続けていて、まだ運行予定が決定していない事業者、路線も残っています。たとえ今回のような事情があっても、法令上の取り扱いが「乗合バス(路線バス)」である高速バスでは、代わりの停留所を確保するにも警察や自治体など多くの関係者との協議が必要なのです。

 もっとも、社会的な影響の大きさは、路線のタイプによっても異なります。長距離夜行路線、たとえば大阪と首都圏や九州を結ぶ路線は、京都や神戸などを経由する便が多く、期間中は京都や神戸を起終点に変更できます。また、このような長距離夜行路線は、高速バス全体でみれば1割程度と、比率は決して大きくありません。

 一方、高速バスのほとんどを占める昼行路線については、乗客への影響が大きいものもありそうです。クルマ社会が定着している地方では、高速道路のインターチェンジ付近などに大きなパーク&ライド駐車場(自家用から高速バスへの乗り換えを目的とした駐車場)が備わっていることもあり、片道3時間から4時間程度の中距離路線が「大都市への足」として定着しています。岡山(25往復)、鳥取(20往復)、高松(47往復。各社合計)など、大阪への高速バスが高頻度に運行されている中四国の各都市では、運休の影響は小さくないはずです。

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明石海峡大橋。徳島と大阪方面を結ぶ高速バスも頻繁に往来する(佐藤 勝撮影)。

 なかでも、とりわけ影響が大きそうなのが徳島です。徳島は、大阪のテレビ局の放送エリアに含まれるなど京阪神と関係が深い一方、両地域を鉄道で移動する場合は瀬戸大橋経由となり、かなりの迂回を強いられます。もとは直通する高速船が運行されていましたが、1998(平成10)年に明石海峡大橋(神戸淡路鳴門道)が開通して以降は、高速バスが徳島と大阪を結ぶ「メインの交通手段」となりました。徳島駅前と大阪市内(梅田、なんば)を結ぶ高速バスは、各社合わせて60往復(土休日ダイヤ)、週末を中心に続行便(2号車以降)も多く設定されるほか、徳島駅前以外からも多数のバスが運行されています。これが、6月27日(木)から30日(日)の4日間、全社のほぼ全便で運休となるのです。

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コメント

8件のコメント

  1. 仕方ないね、我慢、我慢

  2. 堺在住のネット通販業者です。配送業者の運休・遅延が予想されるので、やむなく4連休としました。

    経済波及効果、関西で300億円、国内全体で500億円と試算されているようだが、マイナス経済効果の間違えじゃないの。

  3. そしてタグ上でハブられる京阪……ちなみに京阪沿線や京都駅と関西空港を結ぶリムジンバスに大幅な影響が出るようですよ。

  4. 無視して運行してこその公共交通。

    協力する必要なし。

    • あんたみたいな自己中は黙れ

      スペインやイギリスで起きたテロ事件見てまだ対岸の火事みたいなこと抜かすか?

      日本も明日は我が身なんだぞ。

  5. 期間中、不要不急の大阪市内への立入は自粛して下さい。

    さぁ俺の通勤どうするかね〜…

  6. 土地勘のないよその地方の方がよく勉強しましたね、的な記事。。。

    • 面白く拝読させていただいておりますもんでね、くだらん地元風を漂わせたような書き込みは遠慮していただけますかね