ガソリンスタンド、「セルフ」「フルサービス」併設の利点は? 同じ店内で価格差も
ガソリンスタンドで、店員が給油などを行ってくれるフルサービスのレーンと、客が給油するセルフサービスのレーンを併設している店舗があります。フルサービスのレーンはガソリンの価格も高くなりますが、あえてこちらを選ぶ人もいます。
同じ店でレーンによりガソリン価格が違う
ガソリンスタンドは一般的に、スタッフが給油などを行うフルサービス店よりも、客が自ら給油するセルフスタンド店のほうが、ガソリン価格は安い傾向です。ガソリン需要の減少にともないスタンドの総数が減少するなか、セルフスタンドは増加しており、2018年9月末現在で全国9988か所と、全スタンドの32.5%を占めるに至っています。
ところが、同じ店舗のなかで、セルフサービスのレーンとフルサービスのレーンを併設した「スプリット」と呼ばれる営業形態が存在します。前出のセルフスタンド出店数は、スプリットの店舗を含むものです。同じ店でもセルフサービスとフルサービスのレーンとでガソリンの単価が異なり、東京都内のあるスプリットスタンドでは、フルサービスレーンのレギュラーガソリン価格を1Lあたり2円ほど高く設定しているといいます。
セルフスタンドはおもに人件費を削減できるからこそ、安い価格でガソリンを提供できるわけですが、人手がかかりガソリン単価も高いフルサービスとの併存には、どのようなメリットがあるのでしょうか。セルフスタンドの出店状況を取りまとめている日本エネルギー経済研究所 石油情報センターに聞きました。
――スプリットのガソリンスタンドは、どのような目的で存在するのでしょうか?
セルフサービスとフルサービス両方のレーンを置くことで、価格差を前提として顧客に選択肢を提供する目的が大きいでしょう。スタッフが給油や窓ふき、ゴミ捨てなどを行うフルサービスは、店側にとっての付加価値であり、セルフよりも単価を高く設定することができます。顧客はフルサービスのレーンに入ればクルマから降りずに給油してもらえますし、セルフ給油のやり方がわからない人が利用するケースもあるでしょう。セルフサービスを導入しつつも、そうした付加価値を提供し続けたい、という店がスプリットを導入しています。
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