ガソリンスタンド、「セルフ」「フルサービス」併設の利点は? 同じ店内で価格差も

ガソリンスタンドで、店員が給油などを行ってくれるフルサービスのレーンと、客が給油するセルフサービスのレーンを併設している店舗があります。フルサービスのレーンはガソリンの価格も高くなりますが、あえてこちらを選ぶ人もいます。

「ガソリン以外」を売るうえでは合理的?

――フルサービスのためにスタッフを置けば、人件費を削減できないのではないでしょうか?

 人件費削減のメリットは当然薄まるでしょう。しかし、そもそもガソリンは利幅が小さいため、SS(サービスステーション。ガソリンスタンドのこと)は洗車やタイヤ、オイルなどガソリン以外の商品を販売していく必要があります。そうした商品は人手がないと取り扱いが難しいうえ、フルサービスのスタンドのほうが売れる傾向があるのです。

 もうひとつ、スプリットが存在する背景には、日本におけるガソリンの商習慣も関係しています。昔から営業しているSSでは特に、給油してその場で代金を受け取る現金売りではなく、法人客などを中心に、月末あるいは盆、暮れにまとめて集金するといった掛売りも行われます。つまり、なじみの顧客との信頼関係によって成り立っている部分が大きく、セルフへの移行で各種サービスを省略することが、客離れにつながるのを心配するのです。

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セルフ給油の方法がわからない、という人も少なくないという。写真はイメージ(画像:Wavebreak Media Ltd/123RF)。

※ ※ ※

 先に紹介した都内のスプリットスタンド運営会社では、30ほどある店舗のうち3割でスプリットを導入、ほかは完全フルサービスの店舗だそうです。「もともとフルサービスこそが当社のミソなのですが、セルフ化という時代の流れに対応しないといけない、ということで一部店舗をスプリットにしました」といい、どちらかというとフルサービスを重視していることがうかがえます。

「フルサービスを利用されるのはトラックのお客様が多いです。『給油のためにクルマを降りるのが面倒』『車内のゴミを捨ててもらいたい』といったニーズがあります。もちろん、乗用車のお客様も2割ほどはフルサービスを利用されますよ」(都内のスプリットスタンド)

 石油情報センターによると、スプリットスタンドのみの出店数は把握していないものの、セルフスタンドの1割から2割ほどを占めるのではないかといい、特にエネオス(旧・新日本石油)や出光など、日系のブランドに多いそうです。スタンドどうしの競争が激しいからこそ、価格の安さを求める顧客と、なじみの顧客の双方に応えるスプリットを導入して、付加価値を維持する動きがあると話します。

【了】

【表】セルフスタンドが多い県ランキング

【自動車】燃費向上テク、選び方…知っておきたい燃料の話

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