奈良~関空直結の「リニア支線」現実性は? 奈良県が検討、その背景

「奈良市附近」駅の位置とリニア支線構想をめぐる思惑

 要因のひとつに考えられるのは、リニア中央新幹線の名古屋~新大阪間の整備をめぐる綱引きです。1973(昭和48)年に策定された中央新幹線の基本計画は、東京~大阪間の主要な経過地を甲府市附近、名古屋市附近、奈良市附近と定めており、2011(平成23)年決定の整備計画もこれを踏襲したことから、奈良県はリニア中央新幹線が奈良を経由するのは決定事項であるとしています。

 ところが京都府は、この計画は鉄軌輪方式の従来型新幹線を前提としたもので、リニア方式にふさわしい新たなルートを検討すべきとして、リニア中央新幹線は京都・新大阪を経由して関西空港まで建設すべきという運動を行っています。

 訪日外国人旅行客の増加により、関西空港の重要性は増すばかりです。奈良県のリニア支線構想は、京都の構想を意識しつつ、空港利用者を奈良に直接引き込みたいという対抗意識があるのかもしれません。

 ただ奈良県側も一枚岩というわけではありません。「奈良市附近」とされているリニア新駅の設置位置をめぐり、奈良市、生駒市、大和郡山市が名乗りを上げて、決着がついていないのです。

 こうした状況を受けて、奈良県知事を会長に置き、奈良県と県内各市町村から構成される「リニア中央新幹線建設促進奈良県期成同盟会」は、5月30日開催の今年度総会で、リニア中央新幹線の「奈良市附近」の駅位置を早期に確定し、一日も早い全線開業に向けて一致協力していくことを決議しました。

 このなかで、「奈良市附近」の駅位置については「リニア効果が県南部さらには紀伊半島全体に及ぶよう交通結節性の高い位置とすること」としていることから、県内を縦断するリニア支線構想は、県内融和策としての性格もあるものと思われます。

【地図】奈良と関空を結ぶリニア支線の想定ルート

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