まるでハリネズミ! 発見された旧海軍重巡「摩耶」が主砲を下ろしてまで目指したもの

旧日本海軍の重巡洋艦「摩耶」といえば、まるでハリネズミのように装備された対空火器で知られます。とはいえその姿は、竣工当初に期待された役割とは大きく異なるものでした。時勢に翻弄された「摩耶」の航跡を追います。

「目標、敵戦艦!」の号令は聞かれず…「対空戦闘用意!」

 日本海軍の「太平洋戦争」開戦前における基本方針は、戦艦同士の決戦の前に駆逐艦や巡洋艦で夜戦を仕掛け、アメリカ戦艦戦力を少しでも削ろうという「漸減作戦(ざんげんさくせん。当時の読み方)」です。重巡洋艦はこの「漸減作戦」に重要な役割を果たす艦とされました。

 しかし、アメリカ戦艦群は日本の空母部隊による「真珠湾攻撃」で壊滅しており、開戦前に期待したような「漸減作戦」を行うチャンスはありません。太平洋の主兵力は航空機になっていたのです。そして各艦の対空火力強化が急務になりました。

「摩耶」も1943(昭和18)年11月5日の「ラバウル空襲」で大きく損傷したため、横須賀に戻って本格修理されますが、その機会に対空火力を強化した、いわゆる「防空巡洋艦」に改修されることになります。

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1943年11月5日、「サラトガ」艦載機から撮影されたラバウル空襲の模様。左側中央で煙を上げているのが「摩耶」とされる(画像:アメリカ海軍)。

 主砲の「三年式二号20cm連装砲」は、高角砲としても使える両用砲のはずでしたが、楊弾機の能力限界もあり発射速度は毎分3発程度でしかなく、対空火器として充分な性能とは言えませんでした。そこで第3砲塔は撤去して「八九式12.7cm連装高角砲」2基を増設し、元々搭載していたものとあわせ合計6基とします。この高角砲は高速で移動する航空機を狙うために、目標との距離を測る測距機と機械式計算機からなる高射装置とが連動して照準を助け、装填直前に自動的に砲弾炸裂のタイミングを設定できるなど高度な機能を持っていました。ほかに「25mm3連装機銃」13基39挺、「25mm単装機銃」9挺、「13mm単装機銃」36挺と、ハリネズミのように対空火器を装備します。

 電探(レーダー)も対空用の「二式二号電波探信儀一型(21号)」1基、「三式一号電波探信儀三型(13号)」1基、水上監視用の「仮称二号電波探信儀二型(22号)」2基が装備されました。

 これだけの対空火器は戦艦、正規空母並みであり、現代のイージス艦のように「艦隊防空の要」となることが期待されました。

【画像】旧日本海軍が考えていた「漸減作戦」のイメージ

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コメント

7件のコメント

  1. こういうハリモグラ型ゾイドいたな

  2. 文中「漸減(ざんげん)作戦」とありますが、「ぜんげん」が正しい読みだと思います。

  3. これはうちのじいさんが乗ってた船ですね。もともと軍艦ではなく商船を改造した船で主砲を撃つと壁が曲がるって言ってました。軍艦は小さい部屋で区切られていて左側に魚雷を受けて浸水すると右側も浸水させてバランスをとるとか、軍艦が沈没するとき渦ができるから速やかに待避することなど聞きました。マーシャル諸島から揚子江まで船で巡ったみたいですがどうやって生きて帰ったのだろう。恐らく椰子の木で碁石の入れ物を作ったとか話しても戦争の悲惨は教えてくれないでしょうね

  4. それは摩耶じゃない、摩耶山丸だ。

  5. 摩耶って名前がカッコいいよね。

    愛宕高雄の締まらない感じ(失礼)に比べて、摩耶・鳥海て

    センス良すぎか

  6. この軍艦には、祖父の実弟(大叔父)が機関兵として乗り組んでいて、まさにこのレイテ沖海戦で、アメリカ潜水艦・デイスに雷撃されて艦と運命を共にしましたから、、、、かって憲兵だった祖父は、私が幼いころ、三重県の大王崎というところに連れて行ってくれて、太平洋を一望できる灯台の建っていた丘の上から、「あれが太平洋だよ」と指さしながら、目に涙を浮かべて大海原を眺めていた情景が今も忘れられません。

  7. 一番好きな巡洋艦です。高雄型の中でも少し仕様が違ってた。

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