百家争鳴、未来の交通のあり方「MaaS」 高速バスのウィラーはどう考える?

ウィラーが取り組む「MaaS」の具体像

 こうした課題に対して今回、ウィラーの村瀬茂高社長は、同社が日本で取り組む「MaaS」の具体的なメニューを示しました。

 村瀬社長によると、現在の公共交通には利用者のストレスとなり得る3つの「空白」があるといいます。ひとつは、既存の交通体系でカバーできていない場所すなわち「空間的空白」、ふたつ目は、本数の少なさから移動したいときに移動できない「時間的空白」、そして3つ目は、交通が不便な場所にタクシーなどで行こうとすると運賃が高くなってしまうという「経済的空白」です。

 これらを解決する「MaaS」のメニューとして、村瀬社長は「(1)都市間高速バス」「(2)オンデマンドシェア(需要に応じたシェア交通)」「(3)サブスクリプション(定額制)」「(4)自動運転」の4点を挙げます。このうち(1)はウィラーの主たる事業であり、広範囲での空間的空白を埋める手段のひとつです。(2)は予約に応じて乗合バスを運行したり、個人間のカーシェアを提供したりすることですが、空間的空白はもちろん、移動手段をシェアすることで運賃が安くなり経済的空白もカバーし、予約に応じた運行とすることで時間的ストレスも解決し得るといいます。

 そして(3)の「サブスクリプション」は、複数の交通機関を月額制など定額乗り放題で利用可能にすることで、(4)の「自動運転」は、運転手不足で廃止で廃止されるようなバス路線を維持する手段で、ウィラーはすでにシンガポールで実証実験を行っています。これらによって、より気軽に移動ができるようになり、生活の変化が期待されるそうです。

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ウィラーの「MaaS」への取り組みを説明する村瀬茂高社長(2019年7月19日、中島洋平撮影)。

 これらウィラーが構想する「MaaS」の一環として、同社は8月にスマートフォンで「WILLERSアプリ」の提供を開始します。出発地と目的地のあいだの経路検索機能で列車やバスを使ったルートを提示するとともに、さらにルート周辺で体験可能な観光アクティビティなども紹介し、これらをすべてアプリ上で予約・決済できるというものです。

 まずは、道東のJR釧網本線沿線などを中心とする「ひがし北海道エリア」と、京都丹後鉄道の沿線エリアが対象となりますが、今後は全国へと拡大し、シェア型の移動手段の提供や、サブスクリプションサービスなどを組み込むことも視野にあるといいます。

【了】

【画像】ウィラー「MaaS」の第一歩 「WILLERSアプリ」

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コメント

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2件のコメント

  1. >あらゆるモビリティ(移動)をひとつのサービスと捉える
    選べる選択肢を減らして一部の企業が独占して儲けようってだけだろ
    マイカーにとんでもない高税を課して庶民は自由に移動ができなくなる未来だ

  2. 乗り合いバスと貸しきりバスのグレーゾーンを逆手に利用して我欲丸出しで他人の褌で相撲をとってきた会社が未来を語るなどあつかましいにも程があるだろ
    こんな会社は問題視されたセブンイレブン系の運輸バージョンにすぎんだろ
    オーナーにウイラーの看板を背負わせて本陣が甘い汁を吸い上げる仕組みはセブンイレブンと瓜二つだな
    企業の売名程度にドライバー不足と自動運転を延々語るなら先ずはドライバー個人の労働条件改善を前提に改革をするのが企業の役目だろ
    今更に乗り合いタクシーや乗り放題交通網を新たな発想に見せ掛けて新鮮さを装ったところで利益を優先して様々な案をねじ伏せてきたのは君ら企業と政だろが