緊張走るホルムズ海峡、そもそもどんな場所? 現場をよく知る船長に聞く実際のところ
日本で消費される原油の8割が通過
サウジアラビアやアラブ首長国連邦といった、中東の産油国が軒並み面するホルムズ海峡は、世界経済にとってまさに大動脈です。もちろん日本もその例外ではなく、日本で消費される原油のおよそ8割、そして天然ガスのおよそ2.5割がホルムズ海峡を通過し日本へやってきています。
しかし、ホルムズ海峡は日本からおよそ1万km以上離れていることもあり、筆者(稲葉義泰:軍事ライター)を含めた大半の日本人にとって、実際のホルムズ海峡がどのような場所なのか、あまり知る機会はないことでしょう。そこを通過する船舶の船員にとっては、どのような特徴を有する海域なのでしょうか。
前出の日本郵船 本元船長は「ホルムズ海峡は航路として認められている幅が片側約3kmという大変狭い海域で、そこに多くの船が集まります。船舶が輻輳(ふくそう:さまざまなものが1か所に集中すること)する海域のなかで、90度近く大きく変針する地点もあり、航海における難所のひとつです」と話します。
「3kmの幅」というとそれほど狭いという感覚はないかもしれませんが、タンカーやコンテナ船など、ただでさえ大きな船が集中し、しかもそれなりの速度で各々バラバラに動いているわけですから、どれほどの緊張感を強いられるのか、察するに余りあります。
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