「不沈」「不死身」とうたわれた旧軍重巡「青葉」の最期 3度の大破も生き残った幸運艦

「大破」の辞書的意味は「修理できないほど大きく破損すること」となりますが、旧海軍の重巡「青葉」は、3度の大破を経験しつつも沈まず呉へ帰りつきました。中曽根康弘元首相も乗り組んでいた「青葉」の航跡を追います。

ソロモンの大勝利と最初の大破

 太平洋戦争が始まると、「青葉」は同型艦「衣笠」、そして準同型艦といえる「古鷹」、「加古」などと共に行動します。

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1936年に撮影された「青葉」の後甲板から見た艦橋と煙突。手前にはサーチライトが見える(画像:アメリカ海軍)。

「青葉」が参加した戦いで筆頭に挙げられるのは、第1次ソロモン海戦でしょう。これは1942(昭和17)年8月上旬、ガダルカナル島に来襲したアメリカ軍反攻部隊に対して夜襲をかけ撃退しようとしたもので、ラバウルに集まった重巡5隻、軽巡2隻、駆逐艦1隻で攻撃に向かいました。この戦いは、戦力では米豪の連合軍艦隊のほうが重巡6隻、軽巡2隻、駆逐艦8隻と勝っていたものの、情報共有の欠如や指揮権の混乱などによって重巡4隻沈没、軽巡1隻大破、駆逐艦1隻大破、駆逐艦1隻中破、対する日本側は重巡2隻小破のみという大勝利を掴みます。ただし、日本側は敵の反撃を恐れて、本来の目的であった輸送船部隊は攻撃せずに撤収したため、戦術的勝利にとどまり、しかも帰路で「加古」が敵潜水艦に沈められたため、戦果も半減してしまいました。

 そして「青葉」は、8月下旬の第2次ソロモン海戦への参加ののち、10月上旬にサボ島沖海戦へ参加します。この戦いでは、アメリカ艦隊の先制攻撃によって「青葉」の艦橋や2番、3番砲塔、カタパルト、機関部などが被弾、これにより戦隊司令官の五藤少将以下指揮中枢が死傷したほか、砲塔損傷によって戦闘能力が低下したため、煙幕を出して海域から離脱しました。そしてトラック泊地で被害調査が行われましたが、検分した造船士官が「仮に全砲弾が炸裂していれば沈んでいた」と言うほど、命中弾は多いものの、その大半が不発だったことで命拾いした状況でした。

 沈没を免れた「青葉」は、修理のために呉に戻ることとなりましたが、ここで大破した3番砲塔は撤去され、代わりに対空機銃の増設などが行われました。

【写真】呉軍港空襲の航空写真に見る「青葉」

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