「ワイド周遊券」の魅力を振り返る 1980年代の鉄道旅行節約テク、現在はほぼ無理?

1980年代、安くて便利な国鉄の「ワイド周遊券」は、鉄道旅行にうってつけのきっぷでした。なかには知恵を絞り、貧乏旅行に活用した人も。多くの鉄道ファンを乗り放題の旅に駆り立てたこのきっぷの魅力を振り返ります。

夜行などで宿代を節減できた時代

 自由周遊区間内ではほとんどすべての列車に乗車できる“無敵のきっぷ”だったワイド周遊券。それほど便利でありながら、価格はかなり低く抑えられていました。例えば、東京都区内発の「北海道ワイド周遊券」は、国鉄末期の1982(昭和57)年当時で大人が3万1500円、学割は2万3300円。東京都区内~稚内間の往復割引運賃は大人2万4120円、学割は1万9290円でしたから、約3週間、北海道のすべての列車に自由に乗車できることを考えれば、極めて割安と言えました。

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JR発足の朝は、江差線・松前線の旅へ。一夜にしてすべての車両にJRのステッカーが貼られたことに驚いた(1987年4月1日、五稜郭駅で栗原 景撮影)。

 そんな、安くて便利なワイド周遊券。当時の鉄道ファンは、このきっぷを極限まで使いこなして、さらにお得に使おうと知恵を絞りました。そのひとつが、「夜行連泊」です。90年代まで、主要路線にはたいてい夜行急行が設定されており、若い鉄道ファンは連日これらの列車に乗ることで宿泊代を浮かしていました。

 そして、それを一歩進めたワザが、「夜行折り返し」です。これは、深夜の停車駅で反対方向の列車に乗り換え、前夜の出発駅に戻るというもので、札幌~網走間の急行「大雪」を上川駅で乗り換えて札幌(または網走)に戻る「大雪返し」、札幌~釧路間の急行「まりも」を新得駅で乗り換える「まりも返し」が有名でした。寝過ごして戻れなくなることもありましたが、ワイド周遊券なら乗り放題なので、予定を変えればなんとでもなります。そんな自由さも、ワイド周遊券の魅力でした。

「東北ワイド周遊券」でも、福島駅で奥羽本線経由の上り急行「津軽」から下り急行「津軽」に乗り換える「津軽返し」がありましたが、こちらは寝過ごすと自由周遊区間を抜けて東京へ戻ってしまうので、寝過ごせないというプレッシャーを感じたものです。

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コメント

2件のコメント

  1. 所詮、昔の話。

    分割という状況下では、金の取り分でもめるだけ。成立せえへん。

    北海道ワイドなんか、函館本線の運賃の特例がのうなったころと時を同じくして

    値段は変えず有効期間は半分にしおった、ちゅうことは実質倍額アップや。

    もうやめたいちゅう意思表示やな。

    つわものの話があったが、別方向の周遊券を持って行商の人なんかは商談に出かけてたちゅうこともあったそうやが、昔はよかったなちゅうだけのこと。

  2. JR発足日の江差・松前線の旅の写真、後ろのセメント工場と手前の旧引き込み線から、これは五稜郭駅ではなく、上磯駅ですね。

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