「映え」な幻の橋も奇跡の全露呈! 北海道 三国峠をゆく路線バスにいま乗りたいワケ

北海道の帯広と旭川を結ぶ都市間バスのうち、道内の国道でもっとも標高が高い三国峠を越える便があります。車窓に広がる絶景もさることながら、沿線で話題となっている「幻の橋」も、見どころのひとつです。

北海道の国道最高所を走り抜ける都市間バス

 北海道の国道最高所を通るバスと、その沿線にある「幻の橋」。これらには、いま乗っておくべき、いま行っておくべき理由がありました。

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三国峠トンネルを出て帯広方面へ向かう「ノースライナーみくに号」。道北バスが運行(2019年8月、宮武和多哉撮影)。

 2019年現在、帯広駅と旭川駅のあいだを1日3往復の都市間バス(おもに高速バス車両で運行される長距離路線バス)「ノースライナー」が結んでいます。うち2往復は、JR根室本線や富良野線に並行する「狩勝峠」ルートを経由しますが、もう1往復はそれより東の国道273号「三国峠」を通り、狩勝峠経由の便と区別して「ノースライナーみくに号」と呼ばれます。所要時間は、狩勝峠経由が4時間、三国峠経由が3時間45分です。

 三国峠便の魅力は、なんといっても沿線の景色です。北海道の国道で最高所となる標高1139mの三国峠はもちろん、糠平(ぬかびら)湖(北海道上士幌町)周辺や、断崖絶壁が続く層雲峡(同・上川町)などは紅葉スポットとしても知られ、秋にはバスの車窓でも紅葉を堪能できます。

 ただ、この雄大な自然は、バスの運転手にとって苦労の種でもあります。シカをはじめとした野生動物が車道に出てくることが多く、9月に乗車した際には、運転手さんが「今日はシカ3頭か、少なかったねぇ」と話すような環境です。沿道には「野生動物と自然優先」といった看板が見られるのですが、運転手さんも慣れた様子で、動物が通るような場所にさしかかるたび、速度を落として慎重に走り抜けます。また三国峠は前後で天気が変わりやすく、旭川では晴れていても、三国峠のトンネルを抜けると濃霧に包まれることもしばしばあるそうです。

 そうした環境を走るこのバスの沿線で近年、ある橋が観光資源として注目されています。糠平湖のなかに佇む11のアーチが連なるコンクリート橋「タウシュベツ川橋りょう」です。旧国鉄士幌線の鉄道橋、つまり廃線の橋ですが、これを見に多くの人が訪れています。

【地図】「ノースライナーみくに号」のルート

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