香港~深セン「越境」高速鉄道に乗ってみた デモで「混乱」のなか、列車は定刻運行

開業から1年近くが過ぎた、香港と中国本土の深センや広州を結ぶ高速鉄道。「1国2制度」のため飛行機の国際便や鉄道の国際列車と同じように出入境の審査を受けなければ列車に乗れません。大規模デモが続くなか、実際に乗ってみました。

香港鉄路と中国国鉄の車両が相互乗り入れ

 発車15分前の7時22分、G5636次への乗車が始まりました。地下4階のホームに下りると、中国国鉄のCRH380A形らしき8両編成の高速車両が停車していましたが、よく見ると車体の塗装が異なり、先頭車の側面には「港鐵 動感號 VIBRANT EXPRESS」というロゴマークが入っています。

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客が少ない深セン北行きの高速列車(2019年9月7日、草町義和撮影)。

 広深港高速鉄道では中国国鉄とMTRの車両が相互に乗り入れていますが、MTRの所有車両は中国国鉄CRH380A形をマイナーチェンジしたもの。東北・北海道新幹線の東京~新函館北斗間で、JR東日本のE5系電車とJR北海道のH5系電車(E5系と同型だが塗装を一部変更)が相互に乗り入れているのと同じです。

 実際に乗るまでは大規模デモの影響があるのではないかと不安でしたが、出入境手続きはスムーズに進行。G5636次も7時37分には定刻通りに発車し、拍子抜けしました。ただ、2等座の定員は1両につき80~90人台ですが、ほとんどの席があいており、編成全体では40~50人くらいでした。

 香港特別行政区が2018年11月14日に発表したところによると、開業後6週間の1日平均利用者数は5万900人で、列車1本あたり200人以上は乗っているはず。利用者が特に少ない時間帯なのかもしれませんが、デモの影響で減っている面もあるのでしょうか。

 列車は速度を上げ、客室とデッキの仕切りの上に設置されたLED案内表示には「179km/h」という速度が表示されています。窓の外はトンネルの暗闇が続くばかりで、香港と中国本土の境界をいつ越えたのか分からないまま、福田駅の地下ホームを通過。しばらくして速度が落ちてトンネルの外に出ると、すぐに終点の深セン北駅に到着しました。到着時刻は定刻通り7時55分。香港西九龍駅からの所要時間は18分でした。

【了】

※誤字を修正しました(9月14日18時35分)。

深セン北駅に到着した広深港高速鉄道の高速列車(2019年9月7日、草町義和撮影)。

【地図】広深港高速鉄道のルート

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Writer:

鉄道誌の編集やウェブサイト制作業を経て鉄道ライターに。2020年から鉄道ニュースサイト『鉄道プレスネット』所属記者。おもな研究分野は廃線や未成線、鉄道新線の建設や路線計画。鉄道誌『鉄道ジャーナル』(成美堂出版)などに寄稿。おもな著書に『鉄道計画は変わる。』(交通新聞社)など。

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