ヘリコプターに回転部分(ローター)が2つある理由 ないと大変 二重反転などの工夫も

テールローターがないヘリコプターの種類とは

 シングルローター式のほかには、同じ大きさのローターを2基装備するツインローター式というタイプもあります。これは同規模の回転翼を、時計回りと反時計回りというふうに逆向きに回転させることで胴体が回転しようとするのを防いでいるのが特徴で、ローターの配置により、タンデム式、二重反転式、交差双ローター式などの種類があります。
 
「タンデム式」というのは、前後に回転翼を配置したもので、代表的な機体は自衛隊も使用するCH-47J「チヌーク」輸送ヘリです。

Large 191015 heli 02

拡大画像

タンデム式に回転翼を装備するCH-47J「チヌーク」輸送ヘリ。前後の回転翼は高さが異なる(画像:陸上自衛隊)。

「二重反転式」は、「同軸反転ローター式」とも呼ばれるタイプで、同じ軸で上下に回転翼(ローター)があり、各々が逆方向に回ることで胴体が回転するのを防いでいます。この方式だと事実上、回転軸はひとつで済むため、機体の長さを短くすることができます。ただし、上下に回転翼を重ねるため全高が高くなってしまうほか、構造が複雑になり、生産や整備のコストが上がってしまう欠点があります。それでも機体サイズをコンパクトにできるため、ロシアはこのタイプのヘリコプターを数多く開発しています。
 
「交差双ローター式」は、簡単にいうと、その名のとおりふたつの回転翼(ローター)を交差(クロス)するような形で配置してあるタイプです。正面から見て非常に近い距離で回転翼を左右に並べた構造ですが、各々外側に傾けて、内側で羽同士がクロスするようにしてあるため、回転軸の距離が近くても同じスピードで回っている限り羽はぶつかりません。しかしこのような複雑な構造から、あまり普及はしていません。

【写真】ふたつの羽がクロスする「交差双ローター式」ヘリ

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

1件のコメント

  1. 文の途中で「テールローターがないものもあり」といいながら、最後は「回転翼は複数必要」と矛盾したことを言っている文章力のなさはなんとかならんか?