新型車両「N700S」の東海道新幹線「試運転883号」に乗った N700Aから車内こう変わる

座席から伝わる温かさ N700Sは「目に優しい客室」

 そしてグリーン車。座席のクオリティ、座り心地は当然のことながら普通車より上で、リクライニングで座面が深く沈み込むシートに身体を預け、シートヒーターをオンにしリラックスしていると、ほのかに伝わってくる温かさも気持ちよく、心地よい眠りにいざなわれそうになりました。

 グリーン車には「フルアクティブ制振制御装置」、簡単にいえば車体の揺れを打ち消す装置が設けられており、その意味でも普通車より快適性は上(一部、この装置が搭載されるN700S普通車もあり)。また、読書灯の照射範囲が従来のグリーン車より広くなっているほか、濡れると柄が変わる「濡れ検知座席」の採用も特徴です。

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N700S、グリーン車の座席(2019年10月30日、恵 知仁撮影)。

 今回、東海道新幹線の本線を走るN700Sへ実際に乗ってみて、普通車もグリーン車も「間接照明で、空調の開口部も見えない、『目に優しい』客室にしました」(JR東海 新幹線鉄道事業本部 副本部長 上野雅之さん)というように、従来のN700系から色調など劇的な違いはないものの、全体的によりレベルアップしている印象でした。「変えた」というより「磨き上げた」という具合でしょうか。

 なおこのほか、客室の防犯カメラが増設されたほか、車内デッキ部には特大荷物コーナーも用意。非接触型ICカード(交通系ICカード以外にクレジットカードなどでも可)でロックできる仕組みが導入されていました(2023年度から利用可能になる予定)。

【了】

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Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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