砕氷艦「しらせ」南極へ 搭載する極地仕様の乗りものとは ヘリや雪上車…犬ぞりは?

南極大陸といえば、かつて大ヒットした日本映画でも描かれたように、自然環境は実に厳しく、用いられる乗りものにも特別仕様のものが見られます。南極へ向かう砕氷艦(南極観測船)「しらせ」は、どんなものを搭載するのでしょうか。

南極で働く「乗りもの」たち

 積み込まれている最も大きな乗りものはヘリコプターで、CH101を2機搭載しています。イギリスのアグスタウェストランド AW101汎用ヘリコプターを、「しらせ」搭載用にバッテリー容量を増やすなど極寒冷地仕様へ改造したもので、格納庫に収まるようローターと尾部を折りたたむことができます。約4tの貨物を搭載することができ、物資や人員輸送に不可欠な乗りものです。消耗が激しいとのことで、ローターブレード(回転翼)の予備も積み込まれているそうです。3機購入されましたが、2017年8月17日に訓練中の事故で1機失われています。

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甲板下の格納庫に収められた雪上車。手前が大型のピステンブーリーPB300ポーラー。奥が小型のSM40S(2019年11月12日、月刊PANZER編集部撮影)。

 甲板下の貨物室には雪上車が2台、積み込まれています。大きい雪上車が排雪ブレードを付けた、ドイツのケースボーラー・ゲレンデファールツォイグ社製「ピステンブーリーPB300ポーラー 南極仕様車」です。重さ約11t。後部キャビンに人員を載せるほか、そりの牽引もできます。内陸部でも使用できる走破性や航続性能を持っているので、昭和基地から1000km離れた高度3810mにあるドームふじ基地へ、物資や人員を輸送するために使われます。

 小型雪上車は、日本唯一の雪上車メーカーである大原鉄工所製のSM40Sです。もっとも多く南極に持ち込まれた雪上車で、おもに昭和基地周辺で使われています。

 南極大陸に雪上車は現在、約30台あるそうですが、メンテナンスするのも大変で、実際に使われているのは約15台とか。今回運ばれる物資のなかには、現地の雪上車用と思われる「装軌車-8 クローラーダンプエンジン」と表記されたエンジンもありました。

 スノーモービルは6台、ヤマハ「RS Viking Professional」が4台とカナダBRP「TUNDRA」が2台です。これらは市販品のままで、特別な改造はされていないようです。

【画像】「しらせ」で見かけた意外な姿の「タロ」 ほか艦内や出航の様子など

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