砕氷艦「しらせ」南極へ 搭載する極地仕様の乗りものとは ヘリや雪上車…犬ぞりは?

南極大陸といえば、かつて大ヒットした日本映画でも描かれたように、自然環境は実に厳しく、用いられる乗りものにも特別仕様のものが見られます。南極へ向かう砕氷艦(南極観測船)「しらせ」は、どんなものを搭載するのでしょうか。

南極といえば「犬ぞり」は…?

 移動用ではない乗りものとしては、KATOミニバックホー(ミニショベル)「HD80V4」が1台、積まれていました。基地周辺の整備には、小回りの利く土木機械は重宝します。国内では、履帯(いわゆるキャタピラ)はゴム製であることが多いのですが、極地のためか鋼鉄製を履いていました。ただし極寒期での土木作業は想定されていないようで、こちらも特別な改造がされているようには見えません。

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KATOミニバックホー「HD80V4」。鋼鉄製の履帯は細く、雪上で本格使用することは想定されていないと見られる(2019年11月12日、月刊PANZER編集部撮影)。

 南極で使えるのかと不思議だったのが、マウンテンバイク型自転車です。あちこちに分散して収納されていたので、何台あるかはわかりませんでした。実際に南極点まで、自転車で遠征した例はいくつもありますので、普通に使えるようです。雪中用の太いタイヤ付き自転車もあれば普通タイヤのものもあり、実際どのように使われるのか興味が沸きます。

 南極といえば「タロ」と「ジロ」で有名な「犬ぞり」のイメージがあります。立派な乗りものですが、1991(平成3)年に日本含む12か国により採択された、環境保護に関する「南極条約議定書(付属書II第四条)」により生きた動物や植物などの南極への持ち込みが禁止されたため、2019年現在の「しらせ」に犬ぞりや犬は載せられていません。

 ちなみに第60次南極地域観測隊夏隊活動報告によると、南極への持ち込み物資量は、優先物資として空輸されたもの27t、一般物資の空輸が229t、「しらせ」などによる氷上輸送244t、貨油(燃料)輸送499tの合計999t。第59次隊の持ち帰り物資量は384.5tとなっています。このなかには環境保全のため、持ち帰るゴミも含まれています。

【了】

【画像】「しらせ」で見かけた意外な姿の「タロ」 ほか艦内や出航の様子など

Writer:

1975(昭和50)年に創刊した、50年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

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