常識外れだった「真珠湾攻撃」 背景にあった技術革新とは 旧海軍は課題どう克服したか

太平洋戦争の口火を切ったハワイ作戦、すなわち「真珠湾攻撃」は、それまでの世界の常識を覆すものでした。その背景にある、着想、課題の洗い出し、その克服といった、旧日本海軍による大きな技術革新の内訳を見ていきます。

航空機で戦艦を沈めるにはどんな方法があるのか

 航空機で戦艦を攻撃するには雷撃、水平爆撃、急降下爆撃という方法がありますが、それぞれ一長一短があります。一番効果的なのが雷撃です。当時、日本海軍の雷撃法では高度100mで魚雷を投下していましたが、投下された魚雷は50mから60m沈降します。一方、真珠湾の水深は12mしかなく、この方法だと魚雷は海底にぶつかってしまい雷撃は不可能と見られていました。

Large 20191208 01
艦船攻撃の3つの方法(月刊PANZER編集部作成)。

 さらに真珠湾では、艦は2隻ずつ抱き合わせで碇泊しているので、雷撃では岸壁側の艦が攻撃できず、爆撃は必要でした。九七式艦攻(艦上攻撃機)が搭載できる800kgの徹甲弾を高度3000mから投下して加速度を付けて命中させる水平爆撃なら、戦艦の装甲を破れますが命中率は8%から10%でした。800kg爆弾は長門型の40cm砲弾と同等の威力を持っていましたが、当時のアメリカ主力戦艦であるコロラド級を撃沈するには、40cm砲弾16発の命中弾を与える必要があると見積もられており、そうなると艦攻の場合は160機から200機が必要な計算になります。しかし、たとえば真珠湾攻撃時の第一航空艦隊の艦攻は全部で140機そこそこでしたので、全力投入したとて1隻も沈められないことになってしまいます。

 急降下爆撃は命中率30%から40%でしたが、爆弾は250kgであり低高度から投弾するので、落下速度も遅く戦艦の装甲を貫くことはできず、もっぱら空母や小型艦艇、地上施設攻撃用とされます。

 どの方法も、戦艦を屠る決定打になりそうにありませんでした。

【図表】真珠湾攻撃時の第一航空艦隊出撃機編成一覧 ほか真珠湾攻撃の様子

最新記事

コメント

3件のコメント

  1. 日本軍の兵器の進化はダーウィンも真っ青だろうよ

  2. この成功で、上層部が期待しすぎるようになっちゃったのか

  3. 山本五十六(56)「航空機で戦艦簡単に沈められるよ?」凄すぎて炎上中

記事ランキング

  1. 「USB挿しっぱ」でクルマが“故障”する? 三菱公式の投稿にSNS騒然 「一体ナゼ?」「これマジで起きるよ」
  2. 都市に迫るロシア軍の「弾道ミサイル」が“空中で木っ端みじん”になる瞬間をウクライナ軍が公開 追尾から撃墜まで詳細に
  3. 海自艦がロシア海軍の「超静かな潜水艦」を確認!浮上航行する姿を捉えた画像を防衛省が公開
  4. 海自潜水艦 アメリカ海軍の“歴戦の揚陸艦”を標的に魚雷発射! 実弾演習で巨大な水柱があがる瞬間を公開
  5. 海自「イージス艦の相棒」が火を噴いた!ミサイル発射の瞬間を防衛省が公開 “強力な防空能力”を持つ汎用護衛艦
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  3. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開